指先の靴擦れの原因教えます。プロが教える”本当の”靴ズレの原因6つ。

Shoe trouble 靴選びの教科書

こんにちは。

シンデレラシューズ選びのパーソナルトレーナー、松本久美です。

Cinderella Shoes Lab.はぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。

本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!


さて、本日は指先の「靴擦(ず)れ」のお話しです。

靴擦れは、かかとも多いですが指先も多い場所ですよね〜。

以前、かかとの靴擦れ原因8つと言う記事を書きましたが、あれから時が経ってまた2つくらい発見しまして、今は原因は10個くらいに増えています。

それはまた、別の機会に書くとして。

今回は、指先の靴擦れの原因についてお話ししていきます。

目次

そもそも、指先以外も含めて「靴擦れ」の原因って何?

靴擦れって、「靴」が「擦(ず)れる」って書くので、擦(ず)れてるんです。

また、「擦」の漢字は、「擦(こす)れる」とも読みます。

要するに、靴擦れとは

靴の中で足が動いてしまい、靴と皮膚が擦(こす)れて出来る水ぶくれ

の事。

実は靴擦れとは、ブカブカの靴で起こる現象です。

キツすぎる靴では、皮剥けなどは起こらないのです。

そもそも、小さすぎる靴って足が入らないので歩く前に履けないですしね 笑

でもこの事実、あなたは知ってましたか?

ほとんどの方は靴擦れってキツイ靴・小さすぎる靴で起きると思っていないでしょうか。

もちろん、すり足で歩かないと脱げてしまうスリッパの様なガバガバの靴では靴擦れは起きません。

だって、そもそも殆ど足と靴が触れていないので、皮が剥けることなんてありませんよね。

靴擦れが一番おきやすのは、「ちょっと大きめ」位の靴です。

足と靴が触れてはいるけど、ホールドするには足りない。

すると、肌と靴が触れたまま動くので摩擦が起こり、その力で皮がめくれる。

それが靴擦れの正体です。

 

じゃあ、肌と靴が触れないほどの、め〜〜っちゃくちゃ大きな靴を履けば良いと思いますか??

足や身体の、将来の貯金を使い尽くしてしまっても良いなら、それでも良いですが・・・。

年齢が上がるにつれて、外反母趾に悩まされたり、下半身太りや、冷え性がどんどん悪化していく…。

そんな体になりたい人は、多分いないですよね。

だったら、ブカブカ靴を選ぶべきではありません。

 

ブカブカ靴は、かかとが付いてこないので、必ず歩き方が引きずり歩きになります。

キチンと地面を蹴って歩けないのです。

すると足の筋力低下が起こり、体の土台が崩れ、知らないウチに色んな所に歪みが生じていくでしょう。

また、地面を蹴って歩かない歩き方は外反母趾などの大きな原因の一つ。

筋力を使わないので、代謝が下がり痩せにくく、脚は太く、血液も回りにくく、冷え性も進み、疲れが取れない体質に。

ハッキリ言って良い事は一つもありません。

ブカブカ靴は、足からあなたの体ごと蝕んでしまうのです。

日本は「ブカブカ靴大国!」

でもね、実は日本って、「ブカブカ靴大国」なんです。

街で歩いている人の殆ど、老若男女、99%はブカブカ靴を履いています。

(調べてことないけど、あながち間違ってないと思う↑)

その証拠に(?)、外反母趾の疾患数は年々、上昇傾向、増加の一途を辿っています。

近年は毎年、前年比2倍とか、ちょっと異常な数字が出てきています。

↑コレ、ガンとかだったら大ニュースになると思うけど、外反母趾ってすぐに命に直結しないから話題にはなりにくいですね。

でも、日本の現状ってそんなかなり酷い状態です。

その、大元が「ブカブカ靴」。

 

ココまで読んでくださったあなた、ブカブカ靴を履いていないか気になりませんか?

ココで、あなたがブカブカ靴を履いているか否か、それを判断する為の質問を一つしましょう。

あなたは靴を履く時に、靴ベラを使っていますか?

もし、この質問に「いいえ」と答えたのなら、ブカブカ靴を履いている可能性は限りなく高いでしょう。

男性なら日本人でも靴ベラを使う人はまだいると思います。

でも、女性で靴ベラを使う人というのは本当に皆無に近いが日本人の現状です。

女性での靴ベラを使っていないのなら、それはブカブカの靴を履いていると思って間違い無いでしょう。

特にパンプスなどの靴は、靴ベラ必須のはずなのです。

本来パンプス(靴全般そうですが)は、自分の足よりも小さい靴にぎゅぎゅっ!と、グリグリ!!っと、ねじ込んで履く物です。

手を触れずに立ったままスルリと足が入るその時点で、私たち専門家からすると「あちゃ〜><」って感じ。

「歩く」って、足には物凄い重力がかかります。

着地の瞬間などは体重×3〜4倍の衝撃が加わるそうです。

階段を降りる時は体重×10倍などという数字も。

それを肌と密着していない靴を履いて歩く。

例えるならば、シートベルトなしでジェットコースターに乗っている様なモノです。

体は動くたびに、色んな方向に振り回されるのに、足元が何も固定されていない。

すると体はグラグラの状態から転倒を回避するために、本来使わない様な筋肉を使ってバランスを取ろうとします。

身体は常に非常事態、火の車の様な状態。

すると、ガチガチの身体の出来上がり!ですね。

ブカブカ靴は脚だけでなく、全身に影響があるんです。

フィッティングの知識を少しでも知ってしまった人は、街中の人達の靴と歩き方に、ヒヤヒヤして仕方なくなるんですよ 笑

私は街中で、「シートベルトなしジェットコースター」の方をを5人に4人位の割足で見てます 笑(←リアルな割合ですよ!)

なぜ、ブカブカなのに気がつかない?

コレは色んな原因があると思いますが、並べるとこんな感じかと思います。

  • 靴屋さんですぐ「1サイズ上をお持ちしましょうか?」と言われる。
  • 「痛い」=「小さい・キツイ」と言うイメージが結びつきやすい
  • 「足を計測する」と言う発想自体がない
  • ゆったりで楽ちん!と言うキャッチコピーの靴が沢山売られている
  • 日本は草履文化なので、締め付けがキライ

思い当たる事はありましたか・・・??

ではなぜ、上記の様な事が起こっているのかと言うと、理由はこんな感じかと。

  • 靴屋さんですぐ「1サイズ上をお持ちしましょうか?」と言われる。→店員さんも知らない
  • 「痛い」=「小さい・キツイ」と言うイメージが結びつきやすい → 確かに小さいと痛そう!
  • 「足を計測する」と言う発想自体がない → 体重や身長の様に計った経験がないと、発想自体が出てこない
  • ゆったりで楽ちん!と言うキャッチコピーの靴が沢山売られている → メーカー側も知らない
  • 日本は草履文化なので、締め付けがキライ → コレは仕方ない 苦笑

結構驚かれるのは、「店員さんも知らない」「メーカー側も知らない」の2点でしょうか。

私もメーカー時代、「靴のデザイナーしてます」って言うと、決まり文句の様に

「私、いつもパンプス履くと痛いんですけどどうしたら良いですか??」

って、フィッティングについて相談される事がよくあったんですよね。

一般の方からして、靴の職人もデザイナーも、靴の選び方のプロでもあると思ってしまう様ですね。

でもね、ココは全く別業界。

ほぼ、交流もありません。

コレは、私自身が靴メーカーに13年もいたのに知らなかったし、フィッティングについて聞いたことすらなかったので本当の話です。

独自に勉強している勉強熱心な方というのは存在しますが、会社を上げて教育してる会社はほぼ無かったですね。

(…今はセミオーダーの靴屋さんも増えてるので、ちょっとは変わってる事を祈ります)

店員さんは「売る」のが仕事であり、メーカーの仕事は「作る事」。

そして、フィッターの仕事は「合わない靴を買わせない事」です。

でもね、ココは店員さんやメーカーに「酷い!」「騙して売っているの?!」なんて責めるのはちょっと可哀想。

違う職業であると言うことを理解していただきたいです。

フィッターもメーカーや靴屋さんがないと、仕事ができません。

職業が全く違うんです。

美味しいレストランも、料理人だけで成り立っているのではなく、フロアスタッフや、経理や広報なども必要だし、

仕入れ先の農家や酪農農家だってないと、成り立ちません。

でもプロの料理人が、美味しい肉牛の育て方のプロである必要はないですよね。

全く違う職業だけど、それぞれの役割があり、お互いが影響しあって一つの経済圏があると言うことですね。

この辺の事は、こちらに記事に詳しく書いてあるので興味のある方はどうぞ。

だから、フィッティングについては、ぜひフィッターに聞く事をオススメします!!

「指」ってどこを指すのか

本題に入る前にちょっと場所の確認。

足の指(足の指は「趾(ゆび)」と書きます。)って、人によって捉え方が違うんですよね。

ココ↓を趾って言う人もいれば、

ココ↓も趾に含まれていると思ってる人もいる。

実は、トラブルが出ている場所によって全て原因が違います。

今回の趾は以下の部分↓を指します。

 

外反母趾の方が痛くなりやすい、出っ張ってる骨の部分。

ココは今回のお話には入ってきません。

場所の特定を間違うと、原因を完全に見誤るのでご注意くださいね!

では、「指先の靴擦れ」は何が原因?

前おきが長かったですね 汗

では本題の指の靴擦れの原因を一つずつ見ていきましょう!

靴の中で足が泳ぐのがそもそもの大きな原因でしたね。

では、どうして動くのか。

大きく分けて以下の6つ程度だと思います。

  • ①足長が大きすぎる
  • ②足囲が大きすぎる
  • ③指が長すぎる
  • ④トウ先の形状があっていない
  • ⑤指の変形
  • ⑥こんにゃく足

では一つずつ見ていきましょう。

 

①足長が大きすぎる

足の縦の長さである足長。※足長について詳しくはこちら

靴の裏などに書いてある「23cm」などのアレですね。

コレが間違っていると、足指の靴ズレが起きます。

なぜなら、足が前後に靴の中で動くから。

特に靴は、歩くたびに前に前に足が突っ込んでしまうモノ。

なのに、元々自分の足よりも長い靴を履いてしまったら?

愛が前後にズルズルと動きますよね。

その時、トウ先は必ず先端にいくほど狭くなるので指の上面が擦られて靴ズレが起こってしまうのです。

②足囲が大きすぎる

足囲は指の付け根の、足部では一番大きく曲がる関節部分の外周距離。

ココはパンプスなどを履く時には最も重要な場所です。

※足囲について詳しくはこちら

足囲はパンプスのストッパーの様な存在。

ココが緩いと、どんどん前滑りする様になってしまいます。

前に滑ると・・・。

はい、①の場合と同じですね、

靴の中で足が前後に動きます。

すると、指先が靴の上面に擦られて、皮が剥けます。

③曲がる場所が合っていない

まずは場所の確認ですが、以下の画像の指の付け根側(左)の線↓。

ここが足部で一番大きく曲がるMP関節という場所。

ココより後ろ側の長さを「ふまず長(ちょう)」と言います。

ここって実は、同じ全長(足長)が23cmの足でも、割合いが違う場合があります。

ふまず長の長さというのは、指の長さと表裏一体。

趾が長い=ふまず長が短いって事です。

この「ふまず長」と「指の長さ」の割合が例えば100%に対して、65%:35%の人もいるし、70%:30%の人もいるという事です。

そして、上記の2パターンの方が二人共足の全長は23cmだという事はあり得ますね。

ふまず長が〇〇cmだと長いとか短いとかいうことではなくて、

同じ〇〇cmでも26cmの足長の人ならふまず長が短い人だし、21cmの足長の人なら長い人になります。

因みに、ふまず長が短い=趾が長いと、痛みが出やすい厄介な足と言えるでしょう。

まず、ふまず長が短いと靴に足を入れた直後は、こういった↓ポジションに。

でも体重がかかるとこの様に前に移動してきます。

曲がる場所同士が合おうとする動きが発生するのです。

必ず、重さが加わると、上の画像の様に、滑り台の上に乗り上げた様な状態ではいられません。

絶対に前に滑り落ちてきます。

すると・・・・。

そうなんです、この狭く薄いトウ先先端部分に指先が突っ込んでいくんですね。

上記の二枚の画像を比べると、下の画像は指先の空洞がかなり狭くなった事がわかると思います。

足は歩くと伸縮するので、ここが1cm以下になると趾が靴先に当たってしまいます。

突っ込むだけなら、圧迫痛と言って時間が経つにつれどんどん痛みが増すけれど、皮むけなどにはならない場合も多いです。

ここにプラスして、①②などの条件も合わさると、皮向け+圧迫痛のダブルで、かなり強烈な痛みになってしまいます。

④トウ先の形状があっていない

あなたの指先は何型ですか??

一番長い趾がどれかによって、3タイプに分けられます。

※トウタイプについて詳しくはこちら

ここで注意が必要なのは、トウ先のタイプがあっていれば全ての靴があなたの足に合う訳ではないと言う事。

一応適正タイプは以下の様に言われています。

  • 親指が一番長い エジプト型 → ラウンドトウ
  • 人差し指が一番長い ギリシャ型 → ポインテッドトウ
  • 全体的に指の長さが同じ スクエア型 → スクエアトウ

でも、エジプト型の方がラウンドトウを選んだ時に、ぴったりのなるのはどのくらいかと言うと・・・?

私の経験上の感覚値ではありますが、約30%程度かと思います。

70%は合わないと言う事です!(コレ、結構驚かれますが)

そして、この指の痛みは圧迫痛が殆どです。

あまり皮がむけると言うケースは少ないでしょう。

でもクセモノなのは、履いてから2〜3時間後に痛くなるので店頭では殆ど見つける事ができないと言う事。

キチンと選び方、チェック方を知らないと「お店ではぴったりだと思ったのに!!」という事が起こりやすい場所です。

でも、一度痛身が出ると、その後はどんどん痛みが増していくので、非常に辛いものになってしまいます。

外出先で痛すぎて、履き替え用の靴を購入する場合は、こう言った後から痛くなる場合が多いので要注意です。

⑤指の変形

 

上記の画像の親指以外の趾がグッと縮まっているのがわかりますか?

コチラは、指の変形です。

コチラの画像の方は、かかとを上げた状態で趾を伸ばす事はもうできない状態です。

自分の意思で趾を伸ばす事は、できないのです。

 

人間の足指は爪の面が正常ならば真上。天井側を向いています。

でも、それが前方を向いてきている方が沢山います。

本来なら全部の指が親指の様に爪の断面図が見えて欲しいところが、爪の面が前を向いているのが解りますね。

コレは指の変形です。

(※長期間のストレッチや運動が必要となります)

こうなってしまうと、靴を履いていても脱いでいても、ずっと趾は曲がったまま。

趾が曲がると、関節の部分が真っ直ぐの人と比べて上に向かって張り出してきます。

するとサイド面ではなく、上面に指の関節が触れている状態です。

本来ならここは足と靴は触れていないか、少し触れている位の場所ですが、趾が曲がっていると靴に突き刺さる様な形に。

靴の外側から見ても、指の関節がポコポコと見えてきます。

コレだと、擦られて皮むけも起こるし、擦れが無かった場合も圧迫痛は強く起こってくるでしょう。

また、厄介なのはこの指の曲がりのケースは、靴との相性というよりは、変形が原因です。

趾が曲がることによって、通常の靴の高さを越してきている為に起こるので、

よほど高さのある靴でない限り、何を履いても起こってしまう事が多いでしょう。

⑥こんにゃく足

こんにゃく足は、足が非常に柔らかく伸縮性が普通の人の何倍もある足を指します。

※こんにゃく足について詳しくはコチラ

こんにゃく足の方は②で話た「足囲」が靴を履くとどんどん縮んでしまうという特徴があります。

だから、キチンと測定して足囲のサイズがあった靴を選んだとしても時間差でどんどん足が縮んでしまい、

数時間後にはブカブカ状態になってしまうのです。

なので、ぴったりのサイズを選んだつもりでも時間が経つとすぐに②と同じ状態になってしまうのです。

そして体質なので、改善方法があまりありません。

このタイプの方は、足の筋トレを頑張って硬い足を作るか、時間差でインソールをどんどん足して足囲を小さくするしかありません。

でも余りインソールを足しすぎても、今後は厚みが薄くなりすぎて痛みが出る場合もあります。

こんにゃく足の方は、できれば甲でしっかり支えるブーツや紐靴でないと前滑りを止めるのは難しいでしょう。

パンプスはとても苦手な足です。

実は「かかとの靴ズレ」とかなり似ている。

実は、今回の指先の靴ズレの原因は、かかとの靴ズレと同じ項目が含まれています

  • ①足長が大きすぎる
  • ②足囲が大きすぎる
  • ③曲がる場所が合っていない
  • ④トウ先の形状があっていない
  • ⑤指の変形
  • ⑥こんにゃく足

なんと、上記の青文字の①②③⑥が共通項です。

皆さんも覚えがありませんか?

指の痛い靴って、かかとも痛かったりしませんか?

まぁ、足が痛くなり始めると、それどころじゃなくなるとは思います。

ただ「脱ぎたい」以外の事は考えらないとは思いますが・・・。苦笑

でも、そんな拷問みたいな靴を選ばない様にする為の方法はあります。

簡単じゃないし、時間も長くかかりますが、しっかり学びたいと思った方は是非一度サロンにお越しください。

出来るだけ早く、自分の足を知る事が何より大切です。

今回も出てきた指の曲がりなどの足の変形は、合わない靴で発生しますが、発見が早ければ早いほど改善も早くなります。

是非、一刻も早く自分の足を知ってください。

 

Written by Kumi Matsumoto

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