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こんにちは。シンデレラシューズはぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。
本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!
さて、今回は女性的にはちょっと他人には相談しにくい「ニオイ」について。
『私の足、もしかして今・・・・、匂ってる?!』
そう思った時の、顔には出せないけど、あの内心卒倒しそうな気持ち・・・!
( 誰も私に近寄らないで!!泣 )
と、手負いの猛獣のような状態に(笑)
暑くなって来てもサンダルではなくパンプスを履かなくてはならない職業の皆様。
かなり気になってくる時期ではないでしょうか?
なので、本日は靴選びで解消できるニオイのお話を。
ニオイ対策の第一歩は、素材の特性を知ること。
「ニオイ」ってシューフィッターの守備範囲外かと思いきや、筆者はシューフィッターでもありますが、
靴のメーカーでデザイン・製造にも携わっていました。
ニオイについても、商品改良などで話題に登ることも多かったのです。
製造の人間がニオイについてアプローチできるとしたら、それは「素材」です。
靴の製造の現場で様々な素材の靴を作って来ました。
合成皮革でできたケミカルシューズも、底材まで全て天然素材でできた革靴も。
ニオイの大敵は「汗」です。
汗に含まれる成分によって臭いのある汗と、殆どない汗があるそうですが
ここは靴の方では解消することはできません。
ただこの汗、ニオイの元となる雑菌が繁殖する前に吸収してしまう。
これが素材によっては可能なんです。
具体的にどこの素材に気をつけるの?
靴には無数にパーツがあります。
その中のどのパーツの素材に気をつければいいのか、それをまず見て来ましょう。
- 中敷
- 裏材
この二つです。
要するにどちらも肌に直接触れる場所でという事ですね。
中敷の方が肌に触れる面積が大きいので、両方気づかえることに越した事はありませんが、
もし選ばなくてはならない状況下であれば、中敷の方にこだわった方がいいでしょう。
数ある素材の中でもっともニオイが出やすい、悪魔の素材!
さて、こだわる場所がわかったら、いよいよ具体的な素材をお教えしていきましょう。
まずは、最もニオイが出やすい、絶対に避けたい素材。
それは・・・・・、
エナメルの合成皮革!!
もう、これだけは、これだけは、夏の季節は避けて下さい・・・・!(笑)
まず、合成皮革は全般的に吸水性が殆どありません。
その中でも、エナメル加工は水滴を弾くほどに吸水性は皆無です。
よく、レインシューズなんかにも使われていますよね。
物によっては特殊に開発された、吸水性や防菌・防臭加工などがされた物もありますが、
外側の素材に合わせて「見た目重視」で普通のエナメルを中敷に使っている靴、
実は結構あります・・・。
夏にこの素材の靴を素足で履くと、普通の人でもかなりの確率で匂いが出ます(!!)
汗かきの人でなくても、です。
後、メタリック系も同じ理由でやばいです。
みなさま、ご注意を!!
できれば避けたい、素材とは。
そして二番目に避けたい素材。
実は、合成皮革全般です。
基本的に合成皮革は、布地や人工的に作った皮膚のような素材の上に
石油系の化学製品を塗布して革のような風合いを出しています。
特殊な加工をしていない限り水分はあまり通しません。
合成比較の中敷・裏材を使っていると汗はこもりやすく外に逃げません。
靴の中で生暖かい体温でずっと汗が閉じ込められた状態でいると、雑菌の大好きな環境の出来上がりです。
また、汗を吸収してくれないので足裏がなんだかヌメヌメして、足も滑ってしまい大変不快です。
みなさん、一度思い出して見てください。
足がニオってしまって焦った時の、その靴。
かなりの確率で価格帯の安いケミカルシューズではなかったですか?
できれば選びたい、優秀素材とは?
もうお分かりの方も多いでしょうが、吸水性の良い素材はやはり・・・、
革素材!!
革素材の中敷・裏材を使っている靴は殆ど匂いが出る事はありません。
特に、「物によってニオイが出ることがある」くらいの方だと安心して良いと思います。
実は、合成皮革でニオイ対策の加工をしている物と比べても、なんの加工もしていない革の性能にまだ敵わないのです。
天然素材、動物の皮膚ってすごいんですよ。
でも、本革でもエナメル加工のしている素材はちょっと避けましょう。
合成皮革のエナメルよりはマシですが、せっかくの革素材を選ぶのならできれば避けたいところです。
気をつけたいのは、中敷が全面エナメルの靴は殆ど見かけないと思いますが、部分使いはたまにあります。
あまり大きな面性がエナメルのなっていると、避けた方が無難でしょう。
夏場の素足パンプスに強力なパートナー!最高の素材とは?
革素材でも特に汗っかきの人は心配・・・・。
今までも革中敷でも匂いが出た!という方にオススメしたい最強の素材があります。
それを、こう呼びます。
素あげ革
ちょっと専門用語になってしまいますが、革の表面に加工をできるだけ抑えて仕上げた革があるのです。
艶がなくナチュラルな風合いなのですが、少しパサっとした感じに見えるかもしれません。
でもこの素材、実は高級品!
なぜなら、表面加工を最低限に抑えてあるので、生き物の皮膚である革に必ずある
キズ・シミなどが隠すことができないのです。
女性の顔でいう ”すっぴん” 状態です。
キズ・シミのあるところは使えない → キレイな部分だけ贅沢に使う。
なので、普通の素材よりも捨てるところが多く、必然的に値段が高くなってしまうのです。
この素あげ革、非常に優秀で夏の素足のパンプスでも筆者は一度も匂いが出た経験はありません。
汗を吸収した後は、毎日履かずにちゃんと2〜3日空けて乾燥させるものポイントです。
夏の靴は、中敷と裏材にこだわって!
いかがでしたでしょうか。
もちろん、汗の質によって出てしまっているニオイに関しては抑えきれないこともあると思います。
でも、たまにニオってしまって「なぜこの靴だけ?」と思っていた方。
革の中敷・裏材の靴を一度試してみてくださいね!
Written by Kumi Matsumoto
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