こんにちは。
シンデレラシューズはぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。
本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!
目次
細幅の特殊サイズのお客様。
今回はお客様の施術レポートです。
(※前回、施述内容について詳しく書いたら一気に施述のお問い合わせが増えたのですが、皆さん待ってましたか??笑)
今月の11月の初めにいらっしゃったK様。
40代の会社員の女性です。
K様は、今までいろんなところに足の相談に行ったけれど、
ぴったりしたパンプスには1度も出会ったことがないというのがお悩みでした。
お仕事上、常にヒールと言う訳ではないようですが、やはり女性にとっては履きたい時、
履かなければならない時がありますよね。
また、K様ご本人のファッションや雰囲気もヒールのあった靴の方が似合って素敵になりそうでしたので
是非、もっとヒールを楽しめるようになって頂きたい!と思いました。
K様はシンデレラシューズの他にも足の計測やアドバイスが受けられる場所にいくつか行かれたそうで、
すでに自分の足はとても幅が細く、一般的には売られていない靴のサイズだと言う事は知っておられました。
確かに、パッと見た目もとても華奢でスラリとした印象。
ちょっとハーフっぽい様な、少し日本人離れした容姿からも全身の骨格が細く長いのだろうな…と伝わってきます。
(お顔出しOKお頂きました!ありがとうございます!!)
なので細幅専門店で靴をセミオーダーした経験もありました。
でも、その細幅専門店で購入した靴でさえ、やはり痛くておクラ入りしているというのが現状だそう。
今回はシンデレラシューズのブログを見て、
足の計測の方よりは「靴の調整」にご興味を持っていただきご予約をいただきました。
なので、今回のご予約メニューは一気に二つ同時に行ってしまうお得メニューのこちらです↓
(こちらは二つ別々に受けるより、時間も価格もちょっぴりお得です。)
さて、計測しないと何故あっていないのかが解らないので、まずは計測。
さて、どんな事がわかったのでしょうか?
「足幅が細い」以外にわかった事。
今までも色んな専門家のところで見てもらった事がある、
そんなK様ですのでご自身の足のことについてはある程度知識があります。
数年前の計測で出た数字は足囲『A』。
超〜〜、細幅です。
今回のシンデレラシューズでの計測では『B~C』で数値が出ました。
これは測る場所のちょっとしたズレや、足の方の変化、また座位・立位・空中、のどの数字でJISと照らし合わせているかが
各サービス提供者によって違うので、結構ズレます。
でも、今回計測を行ってみると追加でいろいろなことがわかりました。
まずはかかとの細さ。
これが私も今までお会いしたことのないほどの細さでした・・・。
これではパンプスはもともとかかとの脱げやすい履物なので
パカーンと、かかとが抜けてしまい歩けたものではないでしょう。
また、かかとの丸みが非常に緩くほぼ直角に近いようなかかとの形状をしておられます。
これもこれも同じくパンプスを履いたとき、かかとの脱げに繋がります。
一番最初のよく起こるトラブルのヒアリングの時に、かかとの部分の靴擦れ辛いとの事でしたが、
原因はこの「かかとの抜け」に一因がありそうです。
(ただ、全ての靴でこれが原因になっているとは限らず、靴によってはこれが原因になったり、ならなかったりします。
全ては足と、今履いている靴との関係性に依存します。)
また足の歪みは、足の横アーチが低下が少々気になり、
足首も少し内側に倒れ気味になっていました。
これもかかとの抜けや、歩きづらさにつながるものです。
またフットプリントを取ったところ指が3本しか後がなく小指と薬指が消えている状態でした。
これは指が接地していないと言うことを表します。
立位の重心はちょっと後ろに寄ったかかと重心と言う事ですね。
今回は3足のパンプスを調整の候補靴として持って来てくださっていました。
ですが、一般のお店で買ったパンプスは履き口に指が3本がばっと入ってしまうブカブカ状態でした・・・。
やはりかなり細幅のK様には市販の靴では合うものがありません。
唯一調整が可能だったのは細い幅の靴の専門店でセミオーダーで作った靴でした。
シンプルな黒のパイソン型押しの5㎝ヒールのプレーンパンプス。
細幅専門店でセミオーダーされた靴です。
ただ、K様はもっとカジュアルなデザインがお好きな様で一番調整したかったものとは違うものになっていましました・・・。
ご希望と外れるとこちらも大変心苦しいのですが、サイズがかけ離れていると調整もできなくなってしまいます。
ただ、この靴でさえ指が少し入ってしまうのでさらにキツくする必要がありました。
ただ、つま先の形はほっそりしているものの捨て寸が長めのデザインで指の相性は良好。
これなら、なんとかなりそうです。
まずは足のアーチに一番基本的な補正材を入れ、足裏のフィット感を高めます。
↓の画像て言うと、土踏まずの部分と、その外側に入っているモノですね。
これは前滑りの予防策としても有効なのの共に、アーチ崩れによって飛び出した骨が本来の場所に戻ったり
重心が元に戻ったりするので、サイズ違い以外の理由で出ているトラブルをまずリセットする事ができます。
(↑実際の調整の写真は今回は撮り忘れました・・・泣。これは前回の方の調整画像です。)
ただ、同じ人間でも左右の足でアーチの位置が違ったりしますので、きちんと骨を触り正しい位置に入れることが重要です。
この位置がずれたり大きさや厚みがあっていないと、効果がないだけでなく、逆にいらぬ痛みを招いてしまうこともあります。
ですので、皆さんもアーチサポートのインソールを使うときは細心の注意を払ってくださいね。
少しでも違和感・痛み等があった場合は使用を中止するのが良いでしょう。
次には吐き口のフィット感を調整。
細幅専門店の靴でしたが、それでもK様にはまだゆるい状態でしたので、前敷きで足囲部分の適切な圧迫を確保してきます。
(↑これも違う靴の画像です。苦笑)
この時点で、かかとの緩みはなくヒールパンプスであっても「地面を蹴って歩く」と言う正しい歩き方ができるようになりました。
まずはここまで持ってこないと、個別の歪み調整には入れません。
かかとが抜けている状態でいくら調整をしても、正しく歩けていないので、
その状態でトラブルを解消しても、すぐに後でトラブルが復活します。
まずは踵が抜けず地面が切れると言う正しい重心をかけられる状態にしてからでないと、
全てが無意味になってしまうので、この順番がとっても大事。
「かかとが抜けない」と言う事はそれほど重要な事なのです。
さてここまで来ると、初めて痛みや他のトラブルの対処に入っていきます。
私が1番最初に気になったのは、歩行テストをしている時の後ろ姿。
右かかとの大きな外側への倒れ込み方でした。
歩いていただくと、右足だけがかかとが大きく外側に触れることがわかりました。
おわかりですか?
上段の右足の方がヒールが外側に倒れ込んでいます。
フットプリントを見返してみると歩行時のフットプリントは小指側で地面を蹴る癖がありました。
これが歩行時のかかとのブレにつながっていました。
これは、ただの足型計測では解らない事です。
この様な重心の偏りが原因で、試着の時は何ともなかったのに歩き始めると急に痛くなる、と言うことはよくあることです。
なので、サイズだけでは本当のぴったりは選べない、と常々お話しているのです。
ただ、この後わかったのですが、厄介な事に逆の左足は親指側で蹴る癖があったのです。
傾向としては右足ほど顕著ではないのですが、フットプリントにも出ています。
親指側がうっすら濃くなっていますね。
つまり、K様は右足は外側、左側は内側左足は内側で地面を蹴ると言う、
全体的に右側に倒れたような重心で歩いていたのです…!
このかかとのブレを放置すると歩くたびに踵が揺さぶられるため
丸一日過ごすと非常に体力を奪われ疲れやすくなります。
「何だか最近疲れが酷くなってきた」なんて方は歩き方に原因があるかもしれません。
そんな方は、歩いている時の後ろ姿を誰かにチェックしてもらってください。
思わぬ歩き癖があるかもしれませんよ。
今回、直接この揺さぶりで痛みが出ているわけではなかったのですが(出るときもあります)
快適な靴と言う意味では見逃すことができません。
何度も調整材の入れ替えを行いながら踵がブレずしっかり地面を蹴れる位置を探しました。
最初、かかと側に外側にブレる歩行の軌道を内側に寄せるための調整材を入れました。
そうすると狙い通りブレは消えるのですが、履き口の親指側に痛みが出てしまいます。
ただ、歩行の状態は良くなっていたのでかかとの補正材を外したくありません。
ですので、かかとはそのままにして、親指の痛みを取り除くため、
今度は親指側に内側に軌道修正するための補正材を足すと、重心を中心に戻す事ができました。
そして左足は、親指側の重心を外に向けるための補正材だけで指に痛みは出なかったので、そのままでOk。
(ここまでのくだり、画像がないので文章だけではわかりにくいですが・・・)
薄てのソックスで合わされたり、タイツが多いとのことだったのでそのフィット感で合わさせていただきました。
感想は、
「今までの中で一番歩きやすい!」
との嬉しいお言葉をいただきました!
もちろん、念入りな「外出しての履き心地チェック」の上でのご感想です。
本当はもう少しカジュアルなデザインの靴の方がお好みの様ですが、まずは一足あっている靴が手元にあること。
これがとても重要かなと思っています。
このフィット感を体感で感じ取ると、今後のパンプスのお買い物の失敗が格段に減らす事ができると思います。
「まずは一足」
ぜひ、皆様の最初の一足を手に入れにきてくださいね。
Written by Kumi Matsumoto
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