この言葉を使っている内は、ぴったりの靴には絶対に辿り着けません。

Shoe trouble 靴選びの教科書

こんにちは。

ヒール選びのパーソナルトレーナーの、松本久美です。

Cinderella Shoes Lab.はぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。

本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!


この言葉、使っていませんか?

フィッティングサロンであるCinderella Shoes Lab.のほとんどのメニューには、

靴を実際に履いてチェックすると言う工程が含まれています。

そんな時、だいたい私の方からこんな風に質問をします。

「何かトラブルはありますか?」

その中で、こんな言葉を使う方がいるのです。

全体的に痛いです。

この言葉。

あなたは使っていませんか?

これを使っている内は、絶対に靴選びは上達しません。

その理由は・・・・?

「全体的」は錯覚です。

この言葉で重要なのは「全体的」と言う部分です。

実は、「全体が痛い」なんて事は絶対に起こりません。

「つま先、全体が痛くて…」と言うのはよく耳にする言葉なのですが、つま先って縦5cm×横7cm位の大きさがあるんです。

その全ての面積が全部痛いなんて、絶対にあり得ない事です。

試しに、全体的に痛いと感じている「つま先」を手の指で押してみてください。

多分、面積の90%以上が痛くないハズです。

「指で押して痛くない」という事は、それは痛くないって事ですよね?

全体的に痛いのが本当であれば、縦5cm×横7cmの面積のどこ押しても痛くないとおかしくないですか?

多分、本当に全ての面積が痛い方はいないと思います。

もし、いらっしゃったらそれは靴のせいではなく、足の炎症などの怪我や病気がある場合かもしれません。

本当に全体的に痛いのならば、素足の状態でも指で押してみてください。

それで痛ければ、一度病院で診てもらった方が良いでしょう。

 

指で押してみると、全体ではなかったという事に気がつくのと同時に、

「ここが痛かったのか」と言う数カ所のポイントが見つかるでしょう。

あなたが感じている「全体的な痛み」と言うのは、分解してみると

  1. めちゃくちゃ痛い数カ所のポイント
  2. 痛くないその他の場所

の二つに分けることができるハズです。

なぜ「全体的」に感じるのか?

でもね、これは決してあなたが怠け者だと言いたい訳ではないのです。

Cinderella Shoes Lab.に初めて来られた方は、多くがこの言葉を使われています。

どうしてそう感じるのかと言うと、足は脳から一番離れた場所で、とっても鈍い場所。

試しに目を閉じた状態で、誰か別の人に足の指を一本触ってもらってください。

そしてあなたは、その指が何指か当ててみてください。

これ、手の指だと誰でもすぐに当てられるハズ。

でも足の指になると・・・・、

「ん・・・?これって中指?薬指??え、わかんない・・・・!!」

こんな感じで、正解率はグッと下がってしまうのです。

それ位、「足」と言うのは体の中でも鈍感な場所。

接近した数カ所の痛みを、遠く離れた脳では「あの辺、全部痛い」みたいな認識になるのです・・・。

だから、本人はそう感じているので、嘘をついている訳でもなんでもないのですが、

ただ、それを放置するといつまで経っても、ぴったりの靴には辿り着けないでしょう。

この言葉を使うと、靴選びが出来ない理由。

 

結論は、問題の特定が出来ないから。

「全体的」と言ってしまった瞬間、問題が霧の中に放り込まれてしまうのです。

靴以外のお悩みもそうですが、悩みというのは色々くっついて雪だるま式に大きくなりがちです。

彼氏にフラれて、お金もなくて、仕事も好きじゃないし、生きててつまんない。どうしよう??

って言われたら・・・・・、

「え〜〜〜〜っと、大変そうだね・・・・・。大丈夫・・・??」

位しか言えませんが、汗

ねえ!!フラれたから、新しい彼氏作りたいんだけど!!

って言われたら、

「よし!合コンやるよ!!」

って言えるんです 笑

それと同じ(同じか?)で、靴選びもまずはドコが痛いのか、これを特定する必要があります。

そのポイントがわかって初めて、原因が見え、対処法が浮かび上がってくるのです。

だから「全体的に痛い」という言葉を、いますぐ辞めましょう。

これが靴選びを上達するための第一歩です。

全体的に痛いという方は、どんなタイプ?

これは性格とかではなく、足のタイプのお話です。

「つま先が全体的に痛いです」とおっしゃる方の、よくあるパターンをお教えしましょう。

1.複数箇所が痛い場合

みなさん、一箇所しか痛くない場合は比較的「小指が痛い」とか「親指の爪が当たる」とか言ってくださる方が多いです。

でも複数箇所になると、どうも「全体的」と感じてしまう方が多いようです。

特に場所が近いとそう感じてしまうようですね

たとえば、小趾球と小指の第一関節。

ここって、多分1〜2cmしか離れていません。

でも、小趾球と小指の第一関節では、痛くなる原因が全く違います。

小趾球が痛い場合の原因は大きく二つ。

  • カットラインが食い込む
  • 足囲がキツすぎる

小指の第一関節が痛い場合の原因は、

  • 足囲が緩すぎる
  • トウの形状があっていない

注目すべきは、「足囲」。

こんなに近い場所なのに、「キツすぎる」「緩すぎる」と原因が真逆!

上記の例だと「小指が痛い」と言う表現でさえ、まだ範囲が広すぎます。

その表現方法だと、トラブルの原因を取りちがえる可能性があるのです。

あ、マンツーマンの施術に来られた方には、私がちゃんと突っ込んで聞きますのでご安心を。笑

「全体的に」と言っても、「全体的に痛いは、ないです。」って言って、ちゃんと特定しますので。

ご自分で考える時に、ぜひコレを考えてみて欲しいのです。

2.足の指が動かない

足指って、実はキチンと使っていればもの凄く器用に動いてくれるものなんですよ。

手が使えない障害を持った方が、足でお箸を使うなんてシーンをみた事ありませんか?

普段から意識していれば、実はほぼ手と同じくらいに動かすことが出来る器官なのです。

一方で、床に落ちたペン一本も足指では掴めない方もいらっしゃいます。

この差は、普段から歩く時に足指を使っているかどうか。

コレに尽きます。

使えば使うほど、神経は太くなり脳からの伝達が強くなりますが、使わなければどんどん細くなって消えていく・・・。

あなたは足指ジャンケン、できますか??

思い切り、グー・チョキ・パー。

グーの時は指の付け根の節が飛び出して、

チョキの時は親指が上と下と両方できるのがベストです。

パーはもちろん、全ての指の間がガバッと開いている事。

コレが上手くできないようなら、あなたの足と脳の間には上手く伝達システムが出来ていない事でしょう。

この場合は、複数箇所の痛みを「全体的に痛い」と感じてしまっても無理はありません。

じゃあ解決法は?

解決法は、とっても簡単。

「この靴、全体的に痛い」って感じたら、「あ、コレは嘘だな」ってすぐに考え直してください。

そして、手の指で靴の上から痛い部位を押していき、本当に痛い場所を探し当てるのです。

例えば、この4ポイントが痛かった場合。

な〜んだ、この靴は小指〜中指が集中的に痛かったんだな。

じゃあ、このポイントをストレッチャーで伸ばそう。

こんな風に、対処法を見いだすことが出来ます。

「全体的に痛い」と言っていたら、一生辿りつけなかった答えです。

靴選びの最初の一歩は、何処が痛いのかを分解して見つける事です。

「全体的に痛い」は、絶対に存在しません。

あなたも、「全体的に痛い」って感じたら、すぐにこの記事を思い出してくださいね。

Written by Kumi Matsumoto

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