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こんにちは。
ヒール選びのパーソナルトレーナーの、松本久美です。
Cinderella Shoes Lab.はぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。
本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!
さて、本日も足の測定のレポートをお届けしますね。
今回のお客様は、大森恵さん。
ちょっと珍しい職種の方です!
デュアルワーク、いわゆる2拠点でお仕事をしている方。
東京と地方を行ったり来たりの生活で、かなり忙しい方!
そんな大森さんの靴事情は・・・?
足は、大きめ。甲高幅広なので靴には困っています。
大森さんに事前ヒアリングをしたところ、上記↑の様なお答えが。
最近の50代以下は殆ど甲高幅広はいないのですが、大森さんの場合は、もしかしたらあり得るかな・・・?と思いました。
実は、実家が農家の大森さん。
よくSNSで、おじいちゃん・おばあちゃんのお手伝いで、田植えなどを手伝っている様子を投稿されていたのです。
甲高幅広って、昔の日本人の典型的な足。
田植えなどのぬかるみで足を思い切り踏ん張る事によって、甲高幅広の足ができます。
また、某スニーカーブランドで一度簡易的な計測も受けた事があるとの事で、その時は「EE」という評価だったそう。
EEと言ったら、普通サイズの中のちょっと幅広め。
でも、靴のお悩みをお聞きすると・・・?
- つま先
- カカト
に丸が付いています。
実はつま先が痛いのは、理由が一つしかありません。
それは前すべり。
前すべりは、細足さん特有のトラブルのはず。
さて、前に測ってもらった時は普通幅だったのに、
どうして細幅さん特有の場所にトラブルが出ているのでしょうか・・・?
あれ?どうしてこんなにサイズが違うの?
結論から言うと、
右 → 24.0cm D
左 → 24.0cm B
と言うかなりの細幅足でした。
前に測ってもらった時はEEだったのに、どうしてこんな事が起こるのでしょうか??
一般的に無料で行う簡単な足の計測は、立ったままの「立位計測」・または座った状態の「座位計測」のどちらか一つ。
実はCinderella Shoes Lab.の計測は足囲を4種類、測ります。
こんにゃく足の記事でも書いていますが、足囲は人によって柔らかさが違うので、
四種類の足囲の平均値を取ることによって、足の柔らかさも考慮した、より正確な足囲をお伝えしています。
大森さんは足が普通の人よりも柔らかいため、
一種類の計測方法で測った数値で選ぶと、誤差が出るのです。
(こんにゃく足は中度でした。)
足囲の「D」は、既製の靴のなかでも細身の部類です。
「B」については、もう既製で売っているブランドが1つしかない、と言う希少サイズ。
そして、この左右差・・・。
かなりの難関ですね><
調整でも結構難しい範囲になってきます。
これはもう、左右別のサイズオーダーが可能なセミオーダーのお店に行かれるのが一番の得策かと・・・。
でも、この左右差。
生まれつきなのか?後天的なものなのか?
それによってまた将来的な靴との付き合い方が変わってきます。
大森さんの場合はと言うと・・・。
またまた登場!右足の「仮骨性(かこつせい)外反母趾」
前回のA様のレポートでも登場した仮骨性外反母趾・・・。
なんと、またまた登場です。
右足↓
左足↓
この親指の部分、角度・骨の膨らみ・共に出ています。
画像にピンクのラインが入れてありますが、左右でカーブの強さがかなり違いますね。
この状態、実はそこそこ進行した外反母趾の状態です。
左右ともに曲がってる度数は同じ。
でも上の画像・右足の方が曲がりが強く見えませんか?
これは曲がってるだけではなくて、ぷっくりと親指の付け根の骨が膨らんでいるから。
右足だけ「仮骨(かこつ)」の状態です。
より、右足の方が強い衝撃を受け続けている事が伺えます。
右 → 24.0cm D
左 → 24.0cm B
縦の長さである「足長」は同じなのに、「足囲」だけに起こっている2サイズもの大きな左右差。
これは完全に、この「仮骨」が原因で起こっているでしょう。
と言うことは大森さんは、元々は両足共『B』の細幅足だった可能性がとても高いのです。
だから、長期的な目で見るとずっとこの左右差と付き合って行くよりは、
右足の外反母趾を治して、両足「B」に戻すのを目指して行く方がいいでしょう。
では、原因はなんだったのでしょうか?
大森さんの場合もA様の場合と全く同じですが、「B」と言う足囲は一般のお店には殆ど置いていません。
自分のサイズが解って、「細幅靴」を目指して探さないと絶対出会えない希少サイズです。
だから、今まで大森さんも自分の足に合った靴は一度も履いた事がないと思われます。
持ってきて頂いた靴の履き口に指を入れた所、ガバッと4本くらい入ってしまいました。
大体指が一本で1〜1.5サイズ大き過ぎる状態なので、4本入るという事は4〜6サイズくらい大きな靴を履いていると言う事。
これって、服で考えたらありえないですよね。
XSの人がL〜3Lのサイズを着るって絶対ないと思いますが、靴ではかなり多くの人がこれをやっています。
そして、大き過ぎる靴を履くと正しく歩けないので、足にはいろんなトラブルが。
足裏を見せてもらうと仮骨の真下の部分にはピンポイントでタコが・・・。
フットプリントにもポン!と親指の付け根が濃くなっているのがハッキリとわかります。
ここに、強く衝撃が加わっているのは間違いなさそう。
また、このピンクの丸の部分↓はできれば周りより色が薄くなっていて欲しい部分。
でも、拡大してみると指の付け根の中央部が若干濃く写っていて、沈み込んでいる事がわかります。
開帳足もありそうですね・・・。
(外反母趾と開帳足はほとんどセットで起こるので、あたり前なのですが。)
開帳足は横のアーチが落ちた足。
アーチが落ちると、足に備わっている天然のクッションがなくなってしまう様なもの。
衝撃吸収力は弱まってしまいます。
そして小指側に仮骨が出ていないので、恐らく親指に、より重心を強くかける癖がある様です。
天然のクッションがない状態で、親指側にばかり重心を偏らせて歩き続けるとそれは大きな負担に。
母趾球が割れてしまわない様に、骨が徐々に大きくなり「仮骨性外反母趾」の出来上がり、となる訳です。
では、今後はどんな靴を履けばいい?
対策としては、「今は」左右別のサイズでセミオーダーの靴を作った方が良いでしょう。
でも、右足は本来のサイズではなく変形が生んだ「今だけの」サイズです。
そのままその靴を履き続けるよりは、右足を治して両方同じサイズにまで戻してくるのが理想です。
その為には、まずは大前提として「今の足に合うサイズ」を履いていただく事。
その上で、徐々に足が治ってきたらサイズのバランスをとっていく必要があります。
左→B 右→D
↓
左→B 右→C
↓
左→B 右→B
こんな風に徐々に左右を揃えていく感じ。
多分、改善には年単位の時間が必要だと思うので、
次の靴の買い替え時に右足のサイズを小さくできる様、日々トレーニングに励んでいただきたいのです。
ケアをしなければ右足はさらに大きくなる(=悪化する)可能性の方が高いので、
ぜひ頑張っていただきたいですね・・・!!
自力+道具の力も借りましょう。
足の改善は毎日地味な努力と、長期の時間を要する、根気の必要な作業です。
毎日・毎日・続けていかなれば効果は出てきません。
でも、効果が感じられないと人間って長続きしないんですよね。
ダイエットとかなどと同じだと思います・・・。
出来るだけ早く効果を出す為に、大きな助っ人になってくれるのはインソールです。
もちろん、ストレッチや筋トレも重要ですが、靴は長い時間履いているので
インソールでアーチをサポートしてあげるのもとても効果的。
インソールで人工的にではありますが、まずは今ある疲労や衝撃を緩和するのです。
A様のレポートでも書きましたが、まずは道具の力を借りてでも
日々のマイナスを取り除かないと、ケアの効果が現れるまでに長〜〜い時間が必要となってしまいます。
ケアの回復力よりも大きなダメージだった場合は、仮骨は大きくなり続けてしまうかもしれません。
- 合う靴をはく → 日々のダメージ緩和
- インソールでアーチを人工的に作る → 日々のダメージ緩和
- ストレッチや筋トレで本物のアーチを復活させる → 足本来の機能を取り戻す
この様に、三つのアプローチを同時に行なっていくと改善が早いでしょう。
大森さんには、やって欲しいストレッチや筋トレなども細かくお伝えして終了に。
自分でできる簡単なインソールの設置方法はお教えしましたが、本気でやるならサロンにきてもらわないと難しいです・・・><
サロンにきていただければ、重心の位置調整までインソールで行うことが可能です。
でもその前に、お手持ちの靴では調整可能なものがなかったので、まずは靴を準備していただく事からですね。
自分の足を知った後、あなたは自分で選ぶ事ができますか?
この足の測定のメニューは、かなり細かく今のあなたの足の状態がわかります。
どんな靴を選べば良いかも明確にお伝えできます。
でも、多くの方がこの後、実行に移せないのが現状です。
それはなぜか・・・・?
足囲が表記されている靴は、全体の0.01%くらいしか無いから。
他にも、サイズ選びだけでは解消しない今回の様な歪みが原因で出る痛みの問題、
またはぴったりの靴の状態を耳で聞いて解っても、
実際に自分の足に置き換えるとチカラ加減など微妙な部分が解らなくなったり。
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Written by Kumi Matsumoto
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