こんにちは。
ヒール選びのパーソナルトレーナーの、松本久美です。
Cinderella Shoes Lab.はぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。
本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!
目次
参加し放題!超お得なサブクス制度「Cinderella Shoes Members」
今回は、2021年の1月よりスタートした、参加し放題の会員制度「Cinderella Shoes Members」のレポートをお届けします!
こちらの制度は、月額固定費用を支払うと、月間6回の調整会、2回の買物同行、2回のウォーキングレッスン会、1回のマンツーマンが受けられます。
ちょっと盛りだくさんすぎますねw
もしかすると、来年あたりに内容・価格を変更するかもしれません・・・。
正直、ちょっと安くしすぎなので 汗
このメニューは、ただ単に履き易い靴を手に入れよう、というよりは、もうちょっと深い所に目的があります。
それは、足の状態を見れば体全体の良し悪しが見えてくるので、足から身体全体のケアを行い
最終的な目標は美しく健康な身体と心を手に入れる事。
長年、靴に携わって来て、靴が良くならない事にはどうにもならない、という事はよく解りました。
でも、靴だけ良くなっても本当のゴールにはたどり着けない、という事も解って来ました。
靴はスタートなので、ココに立たないと何も始まらないけど、スタートはスタートであってゴールでは無い。
やはり、スタートに立つのはゴールを目指すからこそ立つのであって、ゴールを目指さないのにスタートにたっても意味はありません。
だから、Cinderella Shoes Membersにはウォーキングレッスン会と、フットケアというメニューがあるのです。
この会員制度は、完全に個別のオーダーメイドメニューです。
イベントなどは合同で行っていますが、一人一人が抱えている課題は全く違います。
イベント中に話す内容、やっている事、個人によって同じ事は有りません。
なので、今回は会員の中の1人、Aさんのケースを書いていこうと思います。
サロン史上初の数字がバンバン出てくる、Aさんの足。
計測にこられたのは、2020年9月。
専門家による「足の計測」はコレが初めてだったそうです。
最初にお聞かせ頂いたのは、こんなお悩みでした。
- 親指の骨の部分がいつも痛い。
- 足裏の指の付け根がジンジンと痛い。
- 足裏のカカトが痛い。
足裏系の痛みが多いですよね。
特にカカトが痛いって方は少ないです。
足裏の痛みって靴が原因というよりは、もうそれを通り越しているケースが多いです。
足が変形したりして起こる「病的な」状態に足を踏み入れてきている感じです。
なので、私も足裏の痛みを訴える方は、かなり注意して対応します。
状態によっては「病院」をお勧めする場合もあります。
Aさんは正直、病院をご紹介しても良いくらいのレベルでしたが
「痺れ」系のトラブルがなかったので、とりあえずウチで見せて頂くことにしました。
(※痺れ系のトラブルは、すぐ病院行ってくださいね。脳梗塞などの場合もありますので。)
そして、計測してみると足の全体の情報はこんな感じ。
- 足長: 右 22.0cm 左 21.5cm
- 足囲: 右 A 左 A
- 開張足:重度
- かかと:真っ直ぐ
- 土踏まず:超ハイアーチ
- ハグルンダ:大サイズ有り
- 足首の倒れ:有り
- 指:ハンマートウ
- 足裏:タコ・魚の目が、足裏全体に無数に有り
う〜〜ん、なかなかの状態です。汗
コレ、トラブルの種の種類が多いのも問題なんですが、1つ1つの度合いがすごくて…。
ハイアーチがかなり強烈な状態ですし(過去、数人レベル)、
かかとのまっすぐ度合いもサロンの計測史上No.1(今だ更新されず!)、
ハグルンダの大きさもかなり大きく、両足ともに有ります(両足ある方は中々いない)。
こんにゃく足ではなかった事が唯一の救いですが…..、
逆に伸縮があまりにも少なすぎて(これも見た事ない数値)、足の硬直度合いがヤバそうです。
アーチが全く機能していない….??
Aさんのカルテは、見た事がない数値がお一人の方のカルテの中に複数ある、と言う異常事態だったのでした…。
なぜ、こんな状態になってしまったのか?
Aさんは年間会員さんです。
最初から一年じっくり取り組もうと、ドーンと年間プランに申し込んで下さいました。
でも、これはめちゃくちゃ正解!!
Aさんは前述の内容を見ても分かるとおり、何人もいる会員さんの中でも、群を抜いて足の状態が悪いです…苦笑
恐らく数ヶ月では、全く歯が立たないレベルの強敵です。
足裏のタコ・魚の目の状態はかなりのモノ。
因みに、青い印がタコ、ピンクの印が魚の目です。(計測時の昔の写真なので、触診ではなく画像だけの判断になりますが↓)
タコ・魚の目は、足のアーチ崩れの度合い計るのにちょうど良いバロメーター。
アーチが崩れていればいる程、足にあっていない靴を履いていればいる程、歩き方が悪ければ悪いほど、タコ・魚の目が悪化します。
ここまでの状態には、相当劣悪な靴内環境でないとならないでしょう…。
(と言っても、同じようなレベルの方も一杯いると思いますが。比べる機会がないので、これが酷い方だという自己認識がないだけで…。)
どうして、こんな状態にまでまってしまったのか?というと。
Aさんは、超のつく「靴好き」さん。
手持ちの靴は、数え切れないほどお持ちです。
私は、コレが仇になった気がしています。
当サロンに来るまでのAさんは、デザインさえ気に入ればサイズが多少あっていなくても、簡単に靴を買ってしまう方だったのです。
彼女は、当サロンに来る前は自称サイズ「22.5cm」でした。
でも、本当のサイズは「21.5cm」の足囲A。
そして、「靴はちょっと大きい位が良いんだよね」と、
簡単にサイズを上げて靴を買ってしまう方なので、所持している靴はなんと23.5cm位まであります。
21.5cmの人が、23.5cmの靴を履いているのです。
ちょっと驚きですが、…まぁサロンのお客様の中では珍しくはないですけどね。
また、足囲の概念も全くなかったので、靴は広幅であればある程、楽で歩きやすい良い靴、という認識の方でした。
それは全くの間違い。
大きすぎる靴は、靴擦れ、足の変形の諸悪の根源です。
でも足囲Aは、もう一般店舗では取り扱いのないサイズ。
オーダーメイドの細幅専門店に行かないと、絶対に巡り合えないサイズです。
というわけで、Aさんはまだ人生で一度も自分の足にあった適正サイズの靴を履いた事がない方でした。
過去の靴は、足長で最大4サイズ(2cm)、足囲で最大7サイズ(約3cm)も大きな、ブカブカの靴を履いて長年生活してきた方なのです。
これは……、タコ・魚の目が大変なことになるのは当たり前ですね。
靴選びが、全身に悪影響を及ぼしていました。
これだけ大きな靴を履いて長年生活していると、身体にも色んな悪い癖がついてきます。
歩き方が、本当によくない状態です。
Aさんはまず、真っ直ぐの直線を辿って歩く事ができません。
フラフラと体の芯がぶれてしまうので、真っ直ぐの線上を、そのまま歩き続ける事ができないのです。
↑これ、皆さんもぜひやって見てください。
意外と簡単そうに思えて、できない人も多いはず。
正方形のブロックが敷き詰められた歩道とかに真っ直ぐの線があるので↑、そこでできます。
この線を、両足のどちらでも踏まないで、でも体はずっと線の真上にある状態で歩くのです。
「まっすぐ歩けない人なんて、いないでしょ〜?!」って言っててできない人も、意外と多いですよ。苦笑
そして、つま先着地↓。
つま先着地で歩く人が、思った以上に多いのは知っていますか?
20〜30人に1人はいるかな??
見た事ない人は、つま先着地でどうやって前に進むの?って想像すらできないと思いますが…。
つま先着地は、本来歩く時に使う筋肉を全く使いません。
本来なら、ふくらはぎや、スネ、足首、足の裏も、色んな筋肉を使って歩きますが、
恐らくつま先着地は「前もも」だけを使って歩いていると思われます。
特徴として、歩く時に「パタン・パタン」または「ズシャッ・ズシャッ」と音がします。
足の指先はバランスを司る部分ですが、地面を踏み切る瞬間の、一番体のバランスが崩れる時に指先が地面に付いておらず、
不安定な丸いかかとに重心が乗っているので、体が左右にフラフラとブレます。
また、かかとを毎回地面に叩きつけて歩くので、カカトが痛くなる方も多いです。
更に頭がピョコピョコと上下し、更にバランスが取れにくくなります。
また、前ももを酷使しすぎるので反り腰も誘発しやすいですが、Aさんはガッチッガチの反り腰です。
骨盤を自力で、動かす事すらできません。
もう、余りにも長い間動かした事がないので、神経が途切れてしまったのかも…。
この神経をもう一回通すのは、そこそこ長期間のトレーニングが必要でしょうね…。
あとは、小指着地もありました↓。
↑前から見ても、小指が先に着地
↑横から見ても、小指が先に着地
着地は前後だけでなく、内外も正しく着地しなくてはなりません。
正解は「カカト」から着地し、→その後「親指」に流れていきます。
それが、外側の「小指」に逸れてしまっているのです。
小指はとても小さいので、全体重をささえる事ができません。
だから、爪先着地も相まって余計にフラフラと左右に大きくブレながら歩いてしまうのです。
また、Aさんは体のあらゆる所が、少し押しただけで痛みが出ます。
うちのお客様でも「靴の履き口が痛い」と言うお悩みは多いです。
でもコレ、出やすい方と、そうでない方がいます。
その違いは2つあって、1つは足が骨張っているかどうか。
そしてもう1つが、筋膜の癒着です。
Aさんは親指付近の履き口が、ほとんど全ての靴で痛くなります。
(今はだいぶ、改善してきました!!)
最初は私も骨張ってるからだと思って、もっと覆いが深いデザインを探して….と頑張っていたのですが。
本当にどんな靴でも痛がるので、いちど足を指で押して見たのです。
すると、
痛ッ!!
痛ッッッ!!!!
痛ッッッッッッ!!!!!!
なんと!!足のどこもかしこも全部痛い!!
指で押す力なんて、靴が全体重を支えるときの圧力に比べたら、撫でている様な物。
指で押して確認すると、痛くない場所はほぼなく、足指周辺は全て痛いのです。
コレは長年足指を全く使って来なかった故に、筋膜が癒着を引き起こし、
少しの圧迫や皮膚が引っ張られたりすると、筋膜が剥がれようとする痛み。
元々、癒着がなければ痛くないんですけどね。
と言うわけで、痛くない靴を探すよりも、筋膜リリースをする方が現実的、と言う結果に。
…….はい。
ココまで書いてきて、どれだけ物凄い状態だったか伝わるでしょうか??
Aさんは「靴選び」や「調整」の前段階、「靴が履ける足」を持っていなかったのです。
特に、パンプスはその圧迫が狭い範囲に集中し、ヒールの高さが上がれば前滑りしない様にする為の圧迫の力も強く必要となります。
その、全体重を支える為の「必要な圧迫」が足にかかると痛みが出てしまうのですから。
このメニューはAさんの為の様なモノ
でもこの「Cinderella Shoes Members」はAさんの様な方の為にあるメニューと言っても過言ではないです。
過去の経験上、歪みの強い方、体の状態が悪い人ほど、「靴選び」も「調整」も難航します。
でも、そう言った方には今までは…..
「ストレッチしてくださいね」
「足の指使って歩いてくださいね」
と言うくらいしか出来ませんでした。
でも、このCinderella Shoes Membersには、フットケアもウォーキングレッスンも有ります。
身体からの根本改善に取り組めるのが、私の長年やりたかった事です。
まさにAさんの様の方向けに作ったメニューなのです。
そして、Aさんの凄いところは、「素直に頑張る」事ができる事。
コレは、本当に才能としか言いようがないです。
こちらがご提案したことは、すぐに実践してくださいます。
普通、こんなにも酷い状態ですよって専門家に言われたら、拗ねたり、諦めたりするんじゃないかと思います。
「そうなんですね〜」って苦笑いをして、放置するお客様も何人も見てきました。
でも、Aさんは「ああ、私、結構悪い状態なんだ。じゃあ、頑張る!!」って思える方。
この才能があるかないかで、本当に改善するかしないか、大きな差が出てくると思います。
Aさんのインタビュー。
3ヶ月経ったところで撮影させていただいた動画がこちらです。
正直、他の会員さんと比べるとスタートの状態がかなり悪かったので、
インタビュー内では成長してないんじゃないかと、少し不安げに話されていますが。
でも、Aさんの良いところは本当に真っ直ぐで、素直な所。
人と比べて「私なんか….」って思うんじゃなくて、1つずつ改善していく課題を「面白い!」「楽しい!」って受け取れる事。
物事の良い面を見る事が出来る力って、本当に素晴らしい才能だと思います。
もちろん、スタートが結構大変な状態だったので、他のサクサク進む会員さんと比べて
私の足が変だから、手間がかかって申し訳ないです…。
なんておっしゃる場面もありましたが、それは全然良いのです。
お客様が、今の状態から少しでも良くなってれば、私の方は万事OK。
ただ、それをお客様が認識されていないと価値を感じてもらえないので、
動画の中では敢えてAさんの成長を言葉に出してお伝えしております。
成長が実感できないと、努力する気も失せてしまいますからね。
コレを書いている時点では、もう7ヶ月くらい経ってるんですが、ちょっと停滞も有りつつ 笑
でも無理せず出来る範囲で、徐々に改善していきていますよ。
それはまた、追々書いていきますね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、かなり体の事に突っ込んで書いてみました。
靴は本当に全身に影響を及ぶ済んだと言う事が、少しでも皆様に伝われば幸いです。
2021年3月から会員期間がスタートしたAさん。
他の会員さんはサクサクっと進む方もいる中で、サロンの中では
痛ッ!! 痛いです!! 激痛です!!
と、いつもAさんの悲鳴が鳴り響いていましたね 汗
最初の頃は、調整会の3分位のテスト歩行で、皮がベロベロに剥けて返ってくるなんてのも日常茶飯事。
サロンの出口から5m位の場所に階段があるのですが、テスト歩行で階段にも辿り着けず返ってこられた事も有りました 汗
それが、今では靴によっては7000歩以上のテスト歩行でで出る痛みをどうするか、と言う所まで進歩されています。
7000歩とは、連続歩行で換算すると70分位です。
ヒールで70分、歩行できるって、そこそこ良い感じですよね?
と言っても、まだまだ難しい身体なのは変わり有りませんが。
では、そこに至るまでの軌跡は次回。
Written by Kumi Matsumoto
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