こんにちは。
ヒール選びのパーソナルトレーナーの、松本久美です。
Cinderella Shoes Lab.はぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。
本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!
目次
こんにゃく足モニターとは?
2021/6月までは当サロンでも、調整・買物同行をお断りしていた位、難解な足の特徴です。
こんにゃく足について、もっと詳しく知りたい方はこちらの動画をどうぞ!
その「こんにゃく足」に対応するべく2020/12〜2021/5に、過去のお客様の中のこんにゃく足に方3名にモニターになって頂き、約半年間の研究を行いました。
その結果、見事対応可能となったその軌跡をお届け致します。
モニター 3人目はAEさん。
AEさんが当サロンに初めて来てくださったのは、2020年3月。
あ、2人目のMNさんと同月ですね。
実は2019年に行ったクラウドファンディングのリターンである「足の計測」の利用期限が、この2020年3月末だったんですね。
だから、この月は計測の施術がめっちゃ混んでいたのです…。
動画でも分かる通り、AEさんてすごくフワフワして可愛らしい方。
そして恐らくちょっぴり天然さん!笑
性格的に私と似た部分があったり、ファッションなど好きな分野も同じだったり、施術中の雑談が面白すぎた方でした!
AEさんは当サロンで「こんにゃく足」だと言われ「今の段階ではどうすることも出来ません」と言われたにも関わらず….。
意外とめげずに、その後もうちのイベントに参加してくださっていました。
今は一般公開を始めた、複数人で巡る買物同行・女子会。
コレをテスト的に2020年の夏〜秋頃に数回やったのですが、そちらにもご参加頂いていて。
すごく覚えてるのが、当日は沢山歩くので楽な靴できてください!と詳細メールに書いてあったにも関わらず、
とても素敵な華奢なヒールサンダルで現れたAEさん。
「あれ、こんなにハイヒールで華奢なサンダル、痛くないんですか?」
「ふふ、痛いです….。」
え、何で履いてきちゃったの〜〜?!って、私はちょっとツボってしまい爆笑だったのを覚えています 笑
AEさんの足の特徴は?
- 足長:左右共に22.5cm
- 足囲:左B 右A
- こんにゃく度:左右ともに重度
- 開張足:中程度
- ハンマートウ:親指以外全て
- 浮き趾:小指
- かかと形状:ストレート
- 足首の変形:内倒れ
AEさんの特徴は、足の変形が強い事。
開張足・ハンマートウ・浮き趾、足首の倒れなど、各所に変形が散らばっています。
コレもまた、難しい足ですね…。
まぁ、何度も言いますが簡単な人は、いないんですけどね。
少し解説すると、変形が強い方はサイズが合っていてもどんどんトラブルが出ます。
通常の足の動きをしてくれないので、普通の人には起こらない様な予想外のトラブルが発生します。
どう言う事?!7サイズも違う測定結果!
コレはお二人目のMNさんと同じなのですが、AEさんも過去色んな靴屋さんに行かれています。
セミオーダーや、計測してくれて「世界に1つだけのぴったりの靴!」などと謳っているお店もあります。
計測の際にお話しくださったのは、以下の様なお店達。
そこで、面白い位バラバラのサイズを言われておられるのです。
- 銀座カネマツ本店オーダーシューズフロア→足囲AA
- 某格安合皮オーダーシューズブランド「K」→足囲D(注文したが痛くて履けなかった)
- 某国産健康シューズショップ「A」→足囲EE
- 某百貨店のオリジナルオーダーシューズブランド「YP」→足囲D
上記の各お店の計測結果の足囲を見てみると、EE〜AAとあり得ないほどにバラバラのAEさん。
EEとAAって、差が7サイズ分あるんです。
洋服のサイズに言い換えると7サイズってこんな感じ。
XXS / XS / S / M / L / XL / XXL
お店に行ってXXSを勧められたり、XXLを勧められたりしたら「は????」って意味不明になりますよよね。
だから、当サロンでこんにゃく足と言われるまでは、自分が広幅なのか細幅なのか、訳がわからない状態だった様です。
なぜ、こんなにもバラバラに計測結果が出てしまうのでしょうか?
その理由としては、もちろん伸縮自在の「こんにゃく足」だからと言うのも大きな原因ではありますが。
靴屋さんの多くが「立位計測」を行っているからです。
足囲ってバネなんです。
「立位計測」とは、文字の通り立ったまま計測する事。
足囲って、バネの様なビヨンビヨン伸びる部位なので、サイズなんて荷重の度合いでいくらでも変わってしまいます。
そして、立ったままの「立位計測」が最も大きくサイズ結果が出る測り方です。
上記のお店の多くは、恐らく立位計測を行っているのだと思います。
この立位計測の難点は、ブカブカの靴が選ばれてしまうと言う事。
ちょっと突っ張り棒を例にとって考えてみましょう。
突っ張り棒は、設置する場所の距離と同じ長さにして差し込むとどうなるでしょうか?
ストンと落ちてしまうのが、容易に想像できますよね。
では、どうすれば落ちずに荷物を載せても支え続けられるのか?
それは、設置場所の距離よりも長く設定した突っ張り棒を、無理やり狭い場所にねじ込む。
長い突っ張り棒を、内蔵されたバネを縮ませながらねじ込むからこそ、圧力が壁にかかって落ちなくなる訳です。
足囲も、コレと全く同じ。
足囲はバネのある場所なので、足よりも小さい靴にねじ込む事が出来、だからこそ全体重を支える程の圧力が得られるのです。
だから、靴の足囲は、足の足囲よりも小さくなくてはならないのです。
で、「立位計測」だと、最も大きな数字が出ます。
それって突っ張り棒で例えると、壁の横幅と全く同じ寸法です。
縮み分が計算されていないので、突っ張り棒がストンと落ちてしまう様に、靴の中でも足がズルッと前滑りしていくのです。
この基本的な考え方は「こんにゃく足」の方も、そうで無い方も当てはまります。
なので「立位計測」のお店のお勧めサイズをそのまま購入すると、多くの場合は前滑りの起きるブカブカ靴が選ばれているのです。
オーダーメイドシューズなのに痛くて履けない!!というのは良くある事ですが、こんな所にも原因があったのです。
更に「こんにゃく足」のAEさんは…
因みに、当サロンでは足囲を4種類はかって、その平均値でお出しします。
因みに、AEさんの4種類の数値は以下の様になっています。
- EE
- D
- B
- 4A
見事に、EE〜AAまでが収まっていますね。
あながち靴屋さん達の計測も間違いではないのですが、足囲を1種類の数値だけで判断しようとすると、この罠にハマります。
お一人目のこんにゃく足モニターのKIさんに起こった「足が入らない!」と言う事件は、AEさんのケースとは逆です。
なまじ、足の基礎知識がある方が足囲を締めないと!と思うと、またこんにゃく足の罠にハマります….。
「こんにゃく足」は締めればどこまでも締まるので、「まだいける。まだ締まる。」と、
どんどん小さい足囲を勧めても足は入ってしまうのです。
1サイズずつサイズを下げているので、徐々に時間をかけて足が縮んでいくのですね。
すると、朝イチでは足が入りません。
うちの計測値は4種の平均にしているので、少し緩めになる事もあります。
でもそれは、「こんにゃく足」の方の存在に気づいているから。
AEさんの場合も、最細だったらなんと「4A」まで縮むのですが、それは恐らく夕方くらいの時間帯。
こんにゃく足は時間をかけて徐々に縮むので、朝イチから4Aな訳ではないのです。
当サロンで、長年の謎がやっと解けたAEさんだったのです。
AEさんの調整した靴は?
※画像はカネマツのオンラインショップよりお借りしました。
- 銀座カネマツ ミススレンダー
- 22.5cm
- 足囲B
- トウ形状:スクエア
シンプルなプレーンパンプスで、カラーはネイビーエナメル。
カネマツって皆様、マダムのブランドでしょって思ってる方多いのでは無いでしょうか?
「銀座」ってつくと、どうしてもその匂いがして来ちゃいますが….。笑
でも、カネマツの靴は私も大好き。
何足も持っています。
ここのブランドは価格に対しての品質が高く、そして「履くと美しい靴」です。
靴って、不思議な物で「置いて美しい靴」と「履いて美しい靴」があります。
10万円越えのハイブランドになってくると「置いても、履いても美しい」ですが 苦笑
カネマツの靴は、一見シンプルすぎて物足りないと思いきや、履くと脚をとても綺麗に見せてくれます。
コレはかかと周りの作りが上手いからなのだと思っています。
今回、AEさんが選ばれたパンプスは「スクエアトウ」。
スクエアトウって就活靴の代表じゃ無いですか??
イコール=ダサイの象徴というか…。
(2021SSはモードなスクエアトウがトレンドでしたけどね)
でもカネマツの細幅シリーズ、ミススレンダーのド定番モデルであるこの木型は、スクエアトウなんだけど履くとちゃんと美しいのです。
ファッション好きのAEさんが買ってもいいかなと思えるくらいに。
もちろん定番モデルなので、トレンド感は無いです。
以前、支配人の方に接客に付いて頂いた時、もうこの木型は10年位使ってるって言ってました。
それ位、流行り廃りに左右されない普遍的なシンプルビューティーって事なんですね。
調整前のトラブル状態は?
当サロンでは、靴選びの時にやっていただく「セルフチェック法 靴選びの5STEP」当物があります。
その中でも、
他の項目は多少合っていなくても、ココだけは絶対に注意してください!!
このトラブルが出たら、後から解消するのは50%の確率です!!
と、口酸っぱく伝えている、選ぶときの最重要項目があります。
実はこの靴はその部分がガッツリ、トラブル起こしてました….(꒪⌓꒪)
モニター2人目のMNさんの時にも書いたのですが、めちゃくちゃ厄介なトラブルがあるのです。
MNさんの時は、サイズがあっている靴を諦めてまで、その部分がトラブルを起こさない方の靴にしたほどの。
(そのせいで、指のトラブルで心折れそうになったんですが><)
正直、その状態を見た時に私の中ではこんな考えが過ぎりました。
(1〜2回調整してダメだったら靴を買い直すか、モニターの方を選び直すしかないかも…。)
ここが痛いと言われると、調整の回数はもう5回以上は確定です。
解消率50%と言っても、幾つもの方法を試して、何度も何度も微調整して、それでやっと解消率50%。
正直、「ダメもと」位の気持ちで始まった調整でした。
でも、意外な事に序盤は結構サクサク進むことになります。
ええ。序盤 ”は” です。苦笑
まとめ
今回も長くなったので、実際の調整工程は次回のPart2でお届けします。
皆さんも、計測に行くたびに違うサイズを言われてしまう、なんて経験ありませんか?
その原因は、どんな姿勢で計測しているか、だったりします。
そして、こんにゃく足の方は更に普通の方よりも伸縮が大きいのでより注意が必要です。
では次回、Part2では実際にどんな風に調整が進んでいったのかを、書いていきたいと思います。
意外と大きなどんでん返しが最後にあります 苦笑。
では、お楽しみに!
Written by Kumi Matsumoto
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