ポインテッドトウは悪者?同じ様に見えてもこんなに違う、トウのデザイン。

It shoes! 靴選びの教科書

こんにちは。

シンデレラシューズはぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン

本日も、足と靴に関する情報をお届けしていきます!

目次

ポインテッドトウは好きですか?

さて、冬のセールの時期も終わりましたが、皆さんはお気に入りの靴をゲットできましたか?

今年も、色んな靴がセールに出ていたと思いますが、やはり婦人靴はトレンド性が大きく関わります。

トレンドに則したデザインは多くなり、トレンドから外れたデザインは少なく・・・・、

いや皆無になることも多いですね。

靴のトレンドとは色んな要素があります。

色・素材・ヒールの形状・ディテール・・・・。

これらは、毎年細かくバージョンアップされ、より「今年らしい」デザインが店頭を賑わします。

でも、皆さん気がついていましたか?

靴のトウ先のカタチ。

ラウンドトウ・ポインテッドトウ・スクエアトウなどの事です。

これは、毎年大きく変化するということがあまりありません。

5〜10年単位でゆっくりと変化していきます。

ここ数年はずっと、靴先のとんがったポインテッドトトゥがトレンドです。

街中を見ても、多くの女性がポインテッドトを履いています。

今年はほんの少しだけスクエアトウが流行りましたが、

それでもやはり全体の7割以上はポインテッドトが占めているというのが街中を見ていての感触です。

さてこのポインテッドトウ、苦手と言う方は結構多いのに、履いている人もとても多いという謎のデザインです(笑)

多分、痛くても履いている人がほとんどなのでしょうか・・・・?

本日は、そんな皆さんが大好きな「今」のトレンド、ポインテッドトウについてお話していきましょう。

同じポインテッドトウでも、違いがあります。

先が尖っていて、見るからに指がキツそう・・・。

外反母趾の原因って、ポインテッドトウなんでしょ?

トレンドなので、カワイイ・素敵・履きたいなぁと思う反面、こんな風に思っている人も多いのが、このポインテッドトウです。

ただ、ポインテッドトウ全てが悪者かと言うと実はそうでもありません。

楽にはけるポインテッドトと言うものも、実は存在するのです。

ただし、絶対無理な人もいますので、詳しくはコチラを。

そう、ポインテッドトウと言っても、全て同じではなく様々な特長があるのです。

ここで、いろんな靴を見比べて見ましょう。

様々なタイプのポインテッドトウを並べてみました。

この中で、どれが自分の足に合いそうか?

この判断ができる方はいるでしょうか・・・?

これが出来れば、本当に靴の買い物は劇的に失敗が減るでしょう。

でも、「それが分かれば苦労しないよ・・・・」という方のほうが多いかもしれません。

まずは、靴のトウ先をよく見比べてみてください。

尖端がとても尖っているもの、少し丸っぽいもの、サイドのラインが直線的な物、緩やかにカーブした物・・・。

例えば、Gはかなり尖っていますよね。

Fは少し丸みを帯びて見えると思います。

この様に、一口にポインテッドトウと言っても色々なカタチがあるのです。

この特徴を捉える事ができると、自分に合いやすいものが選べる様になってきますよ。

見極めに重要なポイント、指がどこまで入るのかを見極める

指の長さは、人によって個人差が大きく、色んな長さの人がいます。

短い人も、普通の人も、長い人もいるのです。

ここでいう、指の長さは「折れ曲がる場所からつま先側」を刺します。

「指」というと指またから先を思い浮かべる方が多いと思いますが、

今回は下記の○印から爪先側を「指」といいますので、そのつもりで読み進めてください。

さて、先ほどのズラっと並んだ靴たちですが、あの靴のどこまで自分の指が入るのか

分かる人はいますか?

実は全部同じではないんですよ。

これを考えるための予備知識として、まずは捨て寸のお話をしておきます。

捨て寸(すてすん)ってなに?

靴には必ず「捨て寸」という足が入ってはいけない空洞が先端にあります。

上記の様に、靴のトウ先いっぱいまで足が入っている訳ではないのです。

これは、歩いている時に人間の足が伸び縮みするため。

縮んでいる時に一杯まで足が入っていたら、伸びた時に当たって指を痛めてしまいます。

だから、必ず必要なスペースなのです。

さて、この「捨て寸」。

靴によって全く違います。

最低でも1センチはないとダメなのですが、それ以上であれば特に決まりはありません。

長いものだと4㎝以上の物も存在します。

一般的に言って尖ったポインテッドトウの方が捨て寸は長いし、コロンとしたラウンドトウの方が短い傾向にあります。

靴の全長が23㎝だったとしても、捨て寸が3㎝の物も1㎝の物も存在するのです。

靴は全長で選んではいけません。

日本の靴の底裏に記載されているサイズは、この捨て寸が抜かれた「足のサイズ」です。

サイズ表記が同じ23㎝の靴でも捨て寸が違うとこんな風↓になるのです。

23㎝と表記されている靴で捨て寸が1.5㎝だと靴の全長は24.5㎝になるし、

捨て寸が3㎝だと靴の全長は26㎝になるるのです。

全然違うでしょう?

なのでこの捨て寸を理解しないと、指先に余裕がありそうとか、きつそうとか、判断はできないんです。

逆に言うと、

この靴の「捨て寸」はココまでで、指はこの辺で収まるだろうな。

この間隔が掴めると、トウ先と足の相性を予測できる様になってきます。

これを見極めるためには、靴の中で指は何処からスタートするのかを知らなくてはなりません。

指のスタート位置はバラバラです。

では、今度はこちらの図を見てください。

靴を裏返しにすると、この様に一番幅の広いポイントがよく分かります。

上記図には親指側・小指側に小さな丸印がついていますね。

ここが、靴の横幅で一番広い所、そして歩く時に折れ曲がる場所=ボールジョイントです。

そして、ボールジョイントは足にもあります。

上記の丸印の部分が足のボールジョイント。

先程、ここから前が「指」ですよと言ったのは、このポイントの事だったのです。

このポイントが、先程の↑指の一番出っ張っている所とぴったり合っているとはき心地のよい靴になります。

ちなみに、親指側・小指側×左右の足=計4個所有りますので、全部合うのはけっこう難しいのですが・・・・。

でもこのボールジョイント、どうしても歩く時に曲がるので、合っていない場合は合おうとして靴の中で足がズレます。

(この摩擦で靴ずれが起きることも。でも今回このお話は長くなるので措いといて・・・・。)

なので、まずは指と靴のトウ先の相性を見る時は、このボールジョイントが足と靴でぴったり合っている状態で見なければなりません。

ズレている状態で「あっている」と思っていても歩くと必ずズレるのでチェックした意味がなくなってしまうのです。

スタート位置がわかって、初めて靴の「トウの長さ」が分かります。

さて、前の項目で指のスタート位置がわかったので、各靴たちの捨て寸がどのくらいか有るかを見てきます。

それには、こんな風にスタート位置を揃えて見なくてはなりません。

グリーンの線はボールジョイントの横半分の位置で揃えて見ました。

すると、さっきまでは分からなかった靴のトウ先の長さが見えてきました。

ブルーの線を超えているのはDとGの2つ。

この二つは、「他の靴よりもトウが長そうだぞ。」と言うことが判りました。

トウが長いと、「捨て寸」も長い可能性が高くなります。

先程から何度も出てきている「捨て寸」ですが、ここが長いと見た目に尖っていても意外と横幅が確保できてしまうのです。

Gは特に見た目で尖っているので痛そう・・・と思っていた方も多いのでは?

でも捨て寸が長いので実は横幅はそんなに細くないのです。

次の図で同じ位置での横幅を比べて見ました。

青いラインから、ボールジョイントまでを三等分に

  • ライトグリーン=ボールジョイント
  • ダークグリーン(真ん中)=ボールジョイントから1/3地点
  • イエロー(つま先側)=ボールジョイントから2/3地点
  • ブルー=平均的な靴の先端

ラインの長さを比べるために、左揃えで並べて見ました。

いかにも尖っていても細く見えるGは、以外にも他の靴よりも横幅が有ることが判ります。

一番ゆったりしているのBで、一番タイトなのはAの様ですね。

このGの「見た目がすごく尖っているのに、実際はそんなにタイトじゃない」と言う状態は

捨て寸が他の靴よりも長い為に実現できるのです。

捨て寸が短いのに、先端の角度を鋭角にしようとするとどうしても幅は狭くなりますよね?

なんとなく、ご理解いただけたでしょうか。

実際の足を重ねて見たら。

このイラストは、実際のお客様の足を型どったものです。

重ねて見ると色んなことが判りますね。

因みに、重ねる時のポイントはピンクの丸印(=靴のボールジョイント)と青の丸印(=足のボールジョイント)を重ねること。

このラインも角度が色々ですので、角度によっても足指との相性が変わってしまいます。

こうやって足のイラストをボールジョイントを合わせて見るとと、初めて捨て寸がどのくらいなのか判りますね。

この指の入っていない部分が「捨て寸」です。

この中で一番相性が良さそうなのはBですね。

親指が少し飛び出していますが、この位なら許容範囲でしょう。

指の部分は指同士の間に隙間も有り、可動域が広いのでこの程度の飛び出しで痛みが出ることは無いと思われます。

注意)ただし、足囲はブカブカです。

今回はあくまで指の相性の観点のみで書いております。

他が合っていない事は分かって知るのですが、今回は無視して書いていますのでその点はご了承下さいね。

Gに関しては、小指側はそうでもないのですが、親指側は結構飛び出しているので痛みが出る可能性はぬぐえません。

ただ、この指の可動域も個人差が有るので履けてしまう人もいるでしょう。

また、今回は画像で診断しておりますが、写真はレンズの歪みなども有るので実際は履いて見て確認してください。

写真に自分の足の写真を重ねても、あまり意味は有りませんので・・・。

これはあくまでも、選び方の考え方を理解してもらう為に作った参考画像です。

履いて見て、合わないと感じた時にこの事を思い出して、次にどんなポイントに気をつけて選べば良いのか、

わかる様になっていただきたいのです。

あくまで、実際に靴を履いた上で基準にして下さいね。

指の相性は、調整できない

シンデレラシューズの人気のメニューで靴の調整と言うものがありますが、

この指先の相性はどうにも出来ない事が殆どです。

多少の当たりであればポイントストレッチャーで当たっている部分を伸ばすことは出来ますが、

あまりにも指ががっつり当たっている場合は、難しいでしょう。

伸ばしは所詮応急処置です。

指先がスクエアの方が、ポインテッドトウを履きたいと思っても中々難しいのです。

指の相性がそこそこあっていれば、足長や足囲などは1〜2サイズ位の差異なら調整でなんとか出来ます。

でも指が合わないものは、何をしてもダメなんです。

なので、自分にあったトウ先の形を見極める力は本当に重要なスキルだと思いますよ。

きちんと指に合った快適な靴で、颯爽と歩いて貰いたいものです。

 

自分に合う靴が知りたい!という方は以下からどうぞ↓

 

Written by Kumi Matsumoto

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