こんにちは。
ヒール選びのパーソナルトレーナーの、松本久美です。
Cinderella Shoes Lab.はぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。
本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!
目次
前回の記事では会員Aさんの、どちらかと言うと靴、ファッション、などの外見にフォーカスしてお伝えさせて頂きました。
今回は、身体の変化をメインに書いて行こうと思います。
身体の変化と参加メニューを時系列で
年間会員、Aさんの12ヶ月を振り返ってみました。
2021年3月 |
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まずはある程度足に合っている手持ち靴の調整から始めつつ、買物同行などで新しい靴も検討中。
ただし、履き口の痛みがほぼ全ての靴で発生し、一足も購入出来そうなものはなく、調整も3回でまだまだ痛みは取れない。 |
4月 |
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買物同行=履き口が全ての靴で痛くなり、足を入れた瞬間から痛い靴ばかりで全滅。
調整=何か一つ施すと別の痛みが出る、の繰り返しが延々とつづき、10分のテスト歩行を連続して歩けず数分で痛くて帰ってくると言う状態。 フットケア=軽い力でも色んな部位がめちゃくちゃ痛い。セルフケアメニューを伝え、自主課題に。 |
5月 |
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調整会=同じ靴をやり続けるが上手くいかない。
ウォーキングレッスン=体のふらつきと足音が小さくならない。腰が全く動かないと言うことが判明し、反り腰改善が課題に。 |
6月 |
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暑くなり体力的にウォーキングレッスンが厳しくなり、調整をメインに参加。
ウォーキングに来れない代わりに自宅でコツコツと、前にお伝えしたセルフケアを実行。 調整=初回に着手した靴は一旦保留、様々な手持ち靴調整を施すがあまりにもサイズが大きすぎる為、調整不可が多発。(21.5cmA幅の足に、最大で23.5cmの靴など) |
7月 |
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セミオーダーシューズのお店にマンツーマン買物同行。初めて履き口が当たらない&踵が脱げない靴に出会う。
※その後日常で履くと少し痛みは出たが、後に解消。コレ以前は試着の段階でも履き口が痛くない靴は一足も無かった 調整=どんどんダメな靴は処分して新しい物にチャレンジする。 季節柄サンダルの持ち込みが増え、パンプスよりも調整が難しいサンダルは更に合わないものが多く、苦戦続き。 |
8月 |
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ウォーキングは申し込むものの、体調不良で当日にお休みになる事が多かった。
無理は禁物なので、自宅でできる事を頑張ってもらう様に方針変更。 フットケア=足の状態、トラブルの原因特定、終了後に自宅で行うストレッチのメニュー組み立てなど。 |
9月 |
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調整=秋物のフラットシューズなどの靴に変更、少しずつ調整が進み始める。10〜15分のテスト歩行では痛みが出ないものも出始める。
買物同行=春に履いて激痛だった同じ靴が、痛く無くなっている。フットケアの効果が出始めた頃。 ウォーキング=徐々に腰などの硬さが取れてくる。少しずつできるようになってくる。 |
10月 |
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調整=色んな手持ち靴を複数同時並行で調整していく。
短時間のテスト歩行では痛みは出なくなり、持ち帰っての日常利用テスト(数千歩以上)がメインに。 |
11月 |
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調整=10月と同じ。
ウォーキングレッスン=頭が前にいってしまうので顎を引くように伝えると、胸が反ってしまい後ろ重心に。腰も硬いので、左右の重心移動もまだ上手く出来ない。 フットケア=春頃の触れただけでの痛みはかなり収まったきたので、足の形状に注目し始める。強いハイアーチと伸びてしまって曲げにくくなった足首、縮んだMP関節の3つが課題に。 あとは腰の可動域を出すためのストレッチのセルフケアメニューを組む。 |
12月 |
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調整=10月頃から進み出した調整の日常利用テストが完了し始める。3足の靴が丸一日履ける様になり、仕上げ作業を経て調整完了に。
フットケア=ハイアーチで硬直している足裏をほぐすと、かなり形が変わった。徐々に反った指も伸びてきている。 |
2022年1月 |
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ラスト2ヶ月なのでたくさんご来店。
調整=昔買ったブーツの大量持ち込み!元々痛みなく履けている靴が多いので、よりフィット感を上げる様に調整していく。やる事はほぼ同じなので黙々と作業を進める。 ウォーキング=後ろ重心が少し残っているが、少し腰の回転がでるようになってきたので、足指への体重はかかるようになってきた。 |
2月 |
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最終月。
調整=自分でやるのが難しいものをマンツーマンの調整で、松本が完成させる。 ウォーキング=反り腰は残ってしまったが、なんとか足指への荷重は確保できるように。 |
※インタビュー動画内で88回のご来店と記載がありますが、上記の回数を合算しても88回になりません。
ただ、マンツーマン施術に関しては会期終了後3ヶ月以内なら利用可能というルールが(現在そのルールは廃止)あった為、5月いっぱいまで通われて総回数が88回となります。
3ヶ月経っても、1足仕上がらない
この靴は私が1番最初に、お手持ち靴の中でも最も足に合っていると判断し、調整の一足目に推薦した靴です。
でも3月にスタートして、5月になってもまだ痛みは取れません。
主に痛みが出ているのは、趾(あしゆび)周辺。↓
それともう一つが、母趾球&小趾球の周辺↓です。
このあたりの痛みは、「調整」で何とかしたいのなら、足囲をしっかり締め上げた前滑りを防止した後、
それでも痛いと言われたらもう伸ばすしかありません。
Aさんは本当に指の痛みのひどい方で、伸ばしても伸ばしても痛みは取れませんでした。
足先の痛みは「調整」だけでは不十分
徐々に会員の期間が進むにつれて、Aさんはもちろん他の会員様の足と深く向き合うようになっていきました。
フットケアもウォーキングも、基本的な事は勉強していましたが、行った事に対してフィードバックを貰いつつ、
どんどん自分なりに技術を進化させていきました。
そんな時私は、一人の単発メニューのお客様に驚かされる事になります。
それは「ショショット試着会」にいらした、当サロンでは計測などは行っていない初来店の方でした。
私がフィッティングを行うと、やはり履き口にガッツリと食い込みが・・・。(こんな感じ↓)
ココを押すと殆ど方が痛がるのですが、この方は「キョトン顔」。
「え?別に何も感じませんけど・・・??」
私の方は、びっくり顔。
「(え、こんな食い込み方してて痛がらない人、初めて・・・。)
今は痛くなくても数時間後には痛くなると思いますよ。」
という私に、そのお客様はその日履いてこられていた靴を見せて下さいました。
拝見すると同じ様に、ものすご〜〜〜〜い食い込み方をしてる。
でも、ご本人は痛くない、と。
「この靴は通勤でも履いているし、履き替えもぜずに12時間以上履きっぱなしで痛くなった事はないです。」
と仰るのです。
え・・・・・そんな人、本当にいるの・・・・・?!( ゚д゚)
当時の私にとっては、そんな感じでした。
そして、気がついたのです。
指先の痛みって、物凄い個人差が大きいという事に。
同じ位の強さで押しても、痛くない人と、めちゃくちゃ痛がる人の差が激しいのです。
この違いって何??
それが私の研修対象になりました。
そして自分のことも振り返ってみました。
私はいつも左足の小指が痛くなる。でも右足は、殆ど痛くならない。
今までこれの原因は、左の足の足長が少し長めだから圧迫が強いんだな、と思っていたのです。
でも、指で押してみると小指周辺に出ている張り感はほぼ同じ。
左の方が、特別に強く押されているという訳ではなかったのです。
で、その痛い場所をピンポイントで特定し、靴の上からではなく素足の状態で押してみました。
「あ、痛いじゃん!!」
そう、足指の痛みというのは靴が原因ではない事が殆ど。
靴を脱いだ状態でも押すと痛いのです。
手指の力は、そんなに強くはありません。
それに引き換え、靴から受ける圧迫は強烈です。
全体重が歩く度に何千回も掛かるのですから。
手で押しただけで痛い場所が、靴からの圧迫に耐えられる訳が無い。
それに気がついたのが、おそらく2021年の夏の終わり(ちょっとうろ覚えです)。
ココから、どうやってその「足の問題」である痛みをとっていくのか。
自分の体を対象にした人体実験を始めたのです。
足先の痛みにはマッサージしかない
このCinderella Shoes Membersをやっていて本当に良かったと思ったのは、メニューの中に「フットケア」が合った事。
最初このフットケアというメニューは、浮趾・ハンマートウなどの足の歪みを解消する目的で作ったものでした。
でも、会員様の足と向き合うにつれて、指先の痛みはほぼ「調整」では解消しないことが解ってきました。
まずは自分の身体で、ほぼ100%痛くなる左足小指のマッサージを行ってみたところ、
右足はそんなに痛くないのに、左足は声が出るほどの激痛が!
思い返してみれば左足にだけトラブルが集中していたのです。
- 40代 空手の時、左足が軸になると小指が痛くてバランスが崩れる
- 30代 ビブラムファイブフィンガーズを初めて履いた時、左足の小指周辺が痛すぎて1時間でギブアップ
- 30代 左足の足首が外倒れしている
- 30代 左足だけ足底腱膜炎
- 20代 左足親指の巻き爪が化膿し、爪を切取る手術
色んな事を思い出してきて、そして繋がりました。
私の足に関するトラブルはいつも「左」。
その原因は、足の歪みにあるんだと言う事。
私の左足は少し歪んでいた為に、正常な歩き方が出来ず、使えない筋肉があった。
その筋肉がガチガチに硬直する事によって、軽い圧迫でも痛みが出ていたんだ、と。
それからは、自分の足のマッサージを入〜〜〜念〜〜〜に行いました。
左足の小指だけのマッサージで1〜2時間・・・、それを3日連続で。
すると、初日はかなりあったマッサージ時の痛みがどんどん消えて、痛気持ち良いも通り越し・・・・
全く何も感じない!!
という領域まで達しました。
その状態で、靴には何も追加調整を行わない状態でテスト歩行。
すると8000歩も歩いても、全く小指の痛みは出なかったのです!!
晴れて自分の身体での検証は実証でき、それをAさんのメニューに組み込んでいきました。
硬直の次は、形の改善に着手
徐々に足指周辺のマッサージによって、痛みがでないようになってきたAさん。
フットケアにも定期的に通ってくださり、私もAさんの足を触れば触るほど、特徴が理解できるようになって行きました。
そして気がついたのが、Aさんの指の反り上がり。
このように足の裏をピタッとくっつけた状態で、足の指がパカっと開いてしまうのです。
正常な状態は、指に力を入れずとも足指の裏同士がピタっとくっつく事。
ぜひ同じポーズをやってみて下さい。
Aさんの状態を他人事のように思っている方の中にも、きっと同じように出来ない人も多のではないでしょうか。
あとは動作の方でも通常ではない現象が起こっていました。
Aさんは、足首だけを膝の方に引き寄せる事ができません。
足首を曲げると必ず指まで一緒に反り返ってしまうのです。
おそらく、ものすごく足指の筋肉が硬直していて力を抜く事ができないのでしょう。
そして、逆に「足首は伸びすぎている」のも特徴の一つ。
足を投げ出して座る「長座」という座り方をしたときに、普通なら足の指先は天井を向くはず。
でもAさんは正面に足指が向きます。
この二つの現象をまとめると、足指の付け根の関節は強く曲がり過ぎ、
足首の関節は曲げられないほど伸びきっている、という状態。
伸びてて欲しいところが曲がっていて、曲がって欲しいところが伸びている、という事です。
これが、Aさんの歩き方の特徴である「つま先着地」と「指上げ歩き」を作り出している事も解りました。
調整で靴が仕上がる様になったのは良い事ですが、セルフケアはずっとやり続けなくてはなりません。
でも、この足の形状を正常に戻すことができたら?
正しい骨格で正しく歩けていたら、そもそも筋肉は硬直しないので、押しても圧痛は出ないのです。
その証拠に、全く圧痛のない方が特別に毎日フットマッサージをしているか、というとそうでもなく。
サイズのあった靴を選んで、正しく歩いているだけ、と言う場合も多いのです。
ウォーキングのメリットって、キレイに見えるだけでしょ?
なんて、見た目の事だと思っている方も多いのですが、足の健康を守る、または快適に靴を履くためには必須の条件です。
何故なら「歩く」事は、身体にとっての変えられない「環境」だから。
足のマッサージ、毎日1時間をコレからの人生ずっと続けられますか?
・・・なかなか難しいですよね。
だったら今ある圧痛は短期集中で数ヶ月間必死に頑張って、改善する。
その上で「歩き方」を整えて、正しく筋肉が使える身体になると、疲労が溜まらないので簡単なケアで済むようになって行きます。
現在、オーナー松本は殆ど指の痛みがなくなりました。
足の指先がスクエア型の私には、一生履けないと思っていたポインテッドトウの靴まで、
今は何の痛みもなく履けるようになってしまいました。
足のマッサージももちろんやっていますが、毎日ではありません。
靴を履いていて痛みが出たら「あ、ヤバイ。そろそろやるか。」と言う程度で、現在は1ヶ月に数回程です。
この自分の体を使った人体実験が、驚くほどの効果を奏したのでもちろんAさんにもオススメし、
セルフケアメニューを組んでお伝えしました。
この様に、 Aさんは足と体の大改造に挑戦される事になって行きます。
みるみる変化するAさんの足
そしてそのメニューを、本当にしっかりとコツコツ毎日地道な努力をされたんだと思います。
もう、それは足を見れば解ります。
2021/12月↓
2022/1月↓
2022/6月↓
2022/6月に来られたときには、もうすっかり普通の足に・・・・。
この変化は見ていて感動すら覚えるレベルではないでしょうか。
また、ハイアーチの状態もかなり強烈だったのですが、コレもマッサージによってかなりお肉がふっくらとして来ました。
コレは1時間の施術後の、同じ日の足ですが下の画像の方がアーチが緩やかになっていますよね。
今まで、硬すぎたせいで引っぱられていた部分がふっくらしてきたのが解ると思います。
ただ、Aさんのハイアーチはどうやら遺伝。
お父さんも同じ形の足をしているそうです。
このようにお肉は柔らかくなって盛り上がったように見えるのですが、骨格は変わりません。
結局、最後の取ったフットプリントには変化はありませんでした。
でも、お肉がふっくらすれば少し靴底に触れるようになってくるので、
土踏まず付近が浮いてしまって足裏がずっと緊張しっぱなしな現状を少しは軽減できたのかなと思います。
歩き方も大きな変化が
この画像は、Aさんが足の計測にこられた時に撮った動画の切り取りです。
着地をつま先でしているのが解るでしょうか。
この歩き方は当サロンでは「つま先着地」と呼んでいて、足の筋肉を一切使わない歩き方です。
加えて指先は全く床に設置していないですよね。
これも同じく全く足の筋肉を使わない「指上げ歩き」と言うものです。
Aさんはこの二つの悪い歩き方を併せ持つ方でした。
なぜこの歩き方が良くないのか?
まず「つま先着地」は、体重のかかっていく順番が逆なのです。
普通はカカトで着地して、後半に足指に力が掛かってくる。
その時に足指、脹脛などの筋肉をしっかり使います。
でも、「つま先着地」をしていると、1番体重がかかるタイミングで重心がカカトになってしまいます。
すると指先の筋肉が使われず、それらが退化すると「開張足」や「外反母趾」になったりします。
今回のAさんのケースだと
「開張足」→「アーチが無いので衝撃を吸収できない」→「大量のタコと魚の目」
という結果を招いていました。
また、「指上げ歩き」は足指に体重が乗るタイミングが遅れます。
だって上に反り上がっちゃってますから。
普通の真っ直ぐな指の人なら、足指に体重がかかっている期間が0,5秒あったとすると、指上げ歩きしている人は0,1秒とかになるようなイメージ。
片脚が空中に浮いていて、指先に全体重が乗っている瞬間が足指の貴重な筋トレタイムと言ってもいいのですが
それが指上げ歩きの方はすごく減ってしまうのです。
そして、こちら↓が2021年1月の画像。
こちらも素晴らしい変化!
同じ人とは思えないくらいしっかりと踵から着地していますよね。
この歩き方は前述の、指が反り上がってしまう事、足首が伸びきってしまう事、この二つをきちんと解消できたから。
前に出している足に注目すると、指の反り上がりも殆どないし、でも足首はしっかり曲がっていてカカトから着地ができています。
(この時履いているビブラムファイブフィンガーズという靴はとても靴底が薄いので、指上げ歩きのチェックが靴を履いてても出来るのです!)
「歩く」というのは、ほぼ無意識の領域の行動です。
自分で足首を曲げよう、指を下ろそう、と思っても恐らく出来る人はいないでしょう。
だって、元々つま先で着地しているつもりも、指を上げている感覚も無いのですから。
これは地道な体改善しか有効な方法はありません。
でも、しっかり原因が分かっていて、ピンポイントで改善案をご提示できたので、本当に短期間で目を見張るような変化を遂げられたと思います。
まとめ
この様に、「足の変化」という面で見ても見た目ではっきりと解るほどに大きく変化されたAさん。
もちろんこの足の変化と共に、靴選びはどんどん履ける靴が増え、調整は簡単にサクサク進む様になり、
最終的には7cmヒールパンプスを、何の調整もなく履ける様になられたのです。
足が変わり、歩き方が変わり、そしてウエストが細くなったとおっしゃっていたので身体も変わったという事です。
あなたの足の状態、どうですか?
サイズのあった靴を選んでいるはずなのに、何故だか痛みが取れない。
そんな場合はAさんと同じようなケースの可能性が高いでしょう。
そういう方は、靴を選び続けても一向に良くはなりません。
また、足が良くなると言うことは身体全体が良くなり、疲れにくく元気で、そして美しい体が手に入ります。
私はこのCinderella Shoes Membersというプログラムを、「靴から始まる人生改造プログラム」だと思っています。
靴が変われば、歩き方が変わる。
歩き方が変われば、足が変わる。
足が変われば、全身が変わる。
全身が変われば、心も変わる。
最後の「心」は言い過ぎ、と思う方もいるでしょうか?
でも、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンという脳内物質は、歩く事で分泌されることが解っています。
そしてこのセロトニンの分量が多いほど、物事をポジティブに受け止められるのです。
足が変わって、沢山歩ける身体はまさに心までもが変わり、心が変わったら人生が変わると思いませんか?
ぜひ、あなたも「靴から始まる人生改造プログラム」、体験されてみてはいかがでしょう?
Written by Kumi Matsumoto
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