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こんにちは。
ヒール選びのパーソナルトレーナーの、松本久美です。
Cinderella Shoes Lab.はぴったりのハイヒールを求める女性のためのフィッティングサロン。
本日も足と靴に関する情報をお届けしていきます!
このブログはPart1からの続きです。
まだお読みで無い方は、Part1から読まれる事をお勧めいたします。
実際、どの様に調整が進んだのか?
今回は、実際にどの様に調整が進んだのか、を具体的に書いていこうと思います。
K Iさんがご来店くださったのは計6回
- 2020/12/27
- 2021/1/11
- 2021/3/6
- 2021/4/17
- 2021/5/9
- 2021/5/22
だいたい月に一回ペースで来てくださっていた感じですね。
他の方は8回とかなので、回数は少なくすんだ方だと思います。
こちらを振り返ってみたいと思います。
調整前の靴の履き心地
なんの調整も行なっていない状態の履き心地は、こんな感じ。
- とにかくキツい。
- 足は辛うじて入るが、体重が片足だけにかかった瞬間に痛みや痺れがある。
- カカトの皮が剥けまくる。
KIさんの場合は、かなりキツすぎる所からのスタートでした。
でも、最初に痛いの我慢してしばらく履いていれば、10分後くらいにはかなり緩くなって来ます。
これが、こんにゃく足の難しさです….!!
12/27初来店「とにかく踵の靴擦れが辛い!」
この日はとにかく「カカトのトラブル」を強く訴えていたKIさん。
短時間で、ずるむけ状態だった様でそれを中心に調整しました。
前回のブログでも書きましたが、KIさんはカカトに爆弾をいくつも持った足の持ち主。
まずは大きなハグルンダ!
(↑ちょっとピントが狂ってますが、縦2.5cm、膨らみ2mm程度のかなり大物です。)
もうこれがあると、本当に厄介。
恐らく「伸ばし」なしで履ける靴はこの世に存在しないでしょう。
こんなに大きなコブがかかとにあるのですから。
ガンガン、ココを伸ばさせて頂きました。
(この日、調整の施術が2本あったので、ストレッチャーの使い過ぎで、私の手に水膨れができました…><)
後は靴のデザイン上の問題。
金属のビットを取り付けるために革が何重にも重なっている部分が硬く厚くなり、足に食い込んでいたのです。
これも、薄くなる様にせっせと加工。
また、カカトの痛みに対するインソール系も1つでは効かずに、幾つもやりました。
後、この日の為に準備した「こんにゃく足対応」の特殊な施術も。
施術時間は、多分4時間近くかかったと記憶しております。
要するに、頭で考えていた「こんにゃく足対応全部盛り」の施術をやってみたのです。
すると、なななんと、見事にOK!
5分程度の外出テスト歩行なら、どこにも問題なし!という状態まで持っていく事ができ、
この日は私も「お、もしかしていい感じ?!」と思って、気分良く終了となりました。
……….でも、この初回にやった事は全て無駄だった事が後で判明します( ; ; )
1/11 来店2回目『まさかのキツすぎる?!』
2日目にご来店された、KIさんからの衝撃の一言。
窮屈過ぎて、足が入らなかったです。
……………..(꒪⌓꒪)……………….
そうなんです。
調整中にも足はどんどん縮んじゃっていたんですね。
初期トラブル確認の時にキツすぎるとは思ったものの、10分もすると緩んで来てしまうので、その状態で調整を行なっていました。
すると、お家にいる状態の一番大きい足だと、入らなかったという結末だったのです…。
予想はしてましたが、手強い!
どうやらKIさんの足の伸縮スピードは異常に早いという事が分かって来たのがこの頃です。
私の過去の技術が全く歯が立たない状態でした。
この伸縮性を吸収するための特殊な調整を考えていた訳ですが、まずはその方法を試すには、この靴はキツすぎるという結論に至ったのです。
この2回目の来店では、前回のインソール系の調整をほとんど取っ払い、「靴を大きくする」という事がテーマとなって来ました。
でも、この時KIさんが躊躇されてしまったんですね。
せっかくAAAという超細幅を買ったのに、足囲を伸ばすの….?!
また、ブカブカ靴になってしまわないの??
と。
そうですよね、不安に感じますよね。
一度伸ばしてしまうと、元には戻らないですし。
でもこれ、結構な落とし穴なじゃ無いかと思うんですよね。
計測して細幅だった場合、過去の全てのトラブルは広幅のせいだったって思うんじゃないでしょうか。
でもね、キツすぎても緩すぎてもダメで、中間のホールドじゃ無いとダメなんです。
細幅と診断されて細幅買ってるのに、どれ履いてもどれもダメで…..、っていう方が陥っている事が多いのが、細ければ細いほど良いって思ってしまっている場合。
既に足が痛いのに「この位痛さのある状態でないと、細幅靴じゃない!!」と勘違いしてしまったり。
細幅って痛くないですよ。
何に対して細いかっていうと、市販の靴に比べて細いだけであって、あなたの足に対して「細すぎる靴」ではないです。
あなたの足が市販よりも細いから、あなたにとって標準サイズが巷では「細幅靴」と呼ばれているだけ。
知ってる人には何言ってんの?って感じかもしれませんが、意外と勘違いが生まれるポイントなんです。
「細幅靴」なんだから、キツくても痛くても当たり前。
そんな風に思わないでくださいね。
話をKIさんに戻しますが、キツすぎるので靴を少し大きくしなければなりません。
「足囲をストレッチャーで伸ばして良いですか?」と聞くと、不安げな感じ。
なので、こんな風にご提案しました。
今は、こんにゃく足対応の施術を行う為には、足囲が小さすぎる状態です。
足囲を伸ばす必要がありますが、方法は2つ有ります。
- サロンでストレッチャーで伸ばす
- 自分で履いて伸ばしていく
どちらがいいですか?
すると、KIさんは後者を選ばれました。
きっと足囲を伸ばされるのが不安だったのでしょう。
でも、自分で履いて伸ばす、とい言うのは痛みとの戦いです。
だって、靴なんてかなり長時間履かないと伸びないです。
で、それが出来ないからうちに来てる訳で、履くと痛いんですよ。
もちろんその事も伝えましたが、厚めのソックスなどを履いて自分で伸ばしたい、との事だったのでこちらでは何も施さない事にしました。
この後はご来店ではなく、LINEで状況のご報告をお願いしておりました。
▶︎1/17のLINE
【右足】
履く時右足の踵全面的にきつく、踏み込めない
自転車→電車→徒歩10分
馴染んでくるのか歩きやすくなる。
しかし、この時点で右内側踵に痛みあり帰宅前に履き替えると右外側踵に痛みあり、靴擦れになりそうな雰囲気だったので断念。
【左足】
履く時踵がきつく、踏み込みにくい。(踵圧迫感は右ほどではない)
自転車→電車3分→徒歩10分
踵が緩い感覚あり。
電車35分→徒歩5分→電車2分→徒歩10分
踵が抜けてくる感覚あり。内側ビット部分に痛みあり
▶︎1/18のLINE
2日目
近くのスーパーへ。【左足】
履く時踵全面がきつく、踏み込めない。
自転車2分
→圧迫感は少なくなってくる
スーパー内
→踵外側に痛み【右足】
履く時踵全面がきつく、踏み込めない。
自転車2分
→圧迫感は少なくなってくる
スーパー内
→少し内側ビット部分に痛みがあるが問題無し。踵の痛みが強く、慣らすのに時間がかかっており、足囲に貼るパッドはまだあまり試せていません。
もう少し長く歩く日に絆創膏等を貼り、試そうと思っています。
この様に、最初は近場の外出に履いてもらい、少しずつ少しずつ伸ばしていくという事を行なっていきました。
報告は毎日ではなく、KIさんの場合は月に数回頂いておりました。
3/6 来店3回目 一進一退で不安な日々
2回目〜3回目の来店の間に、色々とLINEでのご報告も頂いておりましたが、やはりメインのトラブルは「カカトの靴ズレ」でした。
やっぱりすぐ皮が剥けちゃうんですよね…。
本当に何度も皮むけとの戦いに挑んでくださり、ありがとうございました…!!
痛みに耐えながらのモニターでしたね 涙
本当に頭が下がります…。
靴の方は1ヶ月以上かけて、だんだん伸びて来ました。
やっと本当の目的だった、こんにゃく足に対する調整が始めることができそうです。
こんにゃく足に着手するのに実に丸2ヶ月かかってしまったのですね….。
まずは、やはりカカトのトラブルがまだまだ強いので、色々とインソールなどを使って調整。
ハグルンダなどの部分は、既に初回にかなり伸ばしているので、残りは別の要素が問題となっている可能性が高そうです。
KIさんは足首が内側にクキっと倒れ込む変形があります。
コレは人によっては皮むけの原因になります。
曲がった足首を伸ばせる様に色々と施術を行いました。
そしてその日は、5分の外出テスト歩行で問題なし!になりました。
ただ、二日後のメッセージではこんな内容が。
3/8のLINE
こんばんは。
2日間、土曜日の状態のまま履いてみました。
踵の抜けは右はほとんどなくなったように思います。
左も以前よりましになっているように思います。ただ右足の土踏まず前の痛みと
両足の小指が窮屈な感じがあります。
右の土踏まずは中がズキズキと痛むことがあります。
ずっとではないのですが、土踏まずに入れて頂いたものが当たっているからでしょうか。
ガーーーン。(꒪⌓꒪)
コレは施術中にも「やり過ぎかな〜〜??」って言いながらやった物でしたが、やっぱりやりすぎだった模様…。
痛くなってはダメなので、取っ払ってくださいと返信しましたが、KIさんの方が取りたくない様な反応が…。
でもまぁ、そうでしょうね。
ずっと苦しんで来たカカトの皮むけが、その施術で収まったんです。
でも代償として土踏まずの痛みが出て来てしまった。
とってしまったら、また戻っちゃうんじゃないかと思うでしょう。
なので、こんなメッセージが来ました。
土踏まずですが、今日足首を立てることを意識して歩くと、あまり気にならないように思いました。
まっすぐ踵から親指にかけて足を下ろすと痛いのかもしれないです。
歩き方が正しいのかが微妙なのですが、もし入っている方が足のためであれば、少し意識して続けてみたいです。
痛くないように歩いた方がいいですかね?
ここまでで、KIさんには簡単な歩き方の指導も行なっていました。
とてもカカトの皮が剥けやすい歩き方をされていたので、インソールだけでは効果が出づらく、歩行指導もせねばならない状況だったので。
でも、その時に「自分の歩き方は変なんだ」という思いを強くされた様です。
だから、上記の様な「いつもと違う歩き方を頑張ってすれば、大丈夫かも?」と思われたのかもしれません。
コレ、実はかなり危ない選択です。
歩行って、無意識化の行動なので、自分でコントロールしようとすると逆に変な所に力が入って、別の場所を痛めたりするんですよ。
なので、理想は「何も意識しなくても、正しく歩ける身体作り」なのです。
本来はストレッチや筋トレで、正しく歩けなくなっている要因を取り除いてから、やっと歩き方のレッスンに入れるのです。
今回、KIさんに指導したのは、本当に簡単なポイントだけ。
それでも随分と、踵の靴ズレはマシになりました。
でも、歩き方を完全マスターするのは一朝一夕では不可能なので、
このKIさんのご提案はお断りし、土踏まずの痛みの原因となっていた施術はゼロの状態に戻しました。
ただ、3/6にやったのは土踏まずの施術だけでは有りません。
実はこの土踏まずを取っ払っても、カカトの痛みは復活せず、やっとこの辺りからカカト以外の部分へ着手できる様になって来たのです。
かかとが合い始めた4月
▶︎4/10のLINE
何度か試してみました。
前滑りがだいぶなくなったように思います。
ただ、インソールがない時に比べると足首がうちに傾いているように思います。
歩く時の痛み等は今のところ問題ないです。
4月に入ると、カカトのトラブル報告はなくなり、やっと長時間での足の縮みに対する微調整がメインとなって来ました。
こんにゃく足じゃない人なら、ここで調整完了するのですが、こんにゃく足はココからが長いです。><
もう、ここまで来るとサロン付近での短時間の歩行テストは無くなってきます。
数時間以内は問題なく履ける状態なので、この時期のターゲットは朝から履いた場合、夕方以降のトラブルです。
なので、テスト歩行もないし施術時間もかなり短縮。
最初の1〜3回目までは、は3〜4時間かかってましたがこの時期になると1時間以内に。
4/17 来店4回目 1日履ける靴に!
この頃には毎日通勤で履き、朝から夜家に帰り着くまで履いていられる靴になっていました。
ただ、
履いていられない程の辛さじゃないけど、全く痛みがない訳でもない。
という感じ。
この辺りまで来て、やっと靴がかなり伸びて来ていて、こんにゃく足対応の特殊調整を行なえるように。
▶︎4/20のLINE
土曜日に調整して頂いてから2日ほど履いてみました。
前滑りはましになっています。
ただ、パーツが履く時に剥がれてずれてしまいます。
また、ひび割れも起こってしまっています。
まだそこまでひどくないので、脱ぐたびに貼り直すとずれが少ないのですが、何日か履くと劣化してしまい、効果がなくなりそうといった感じです。
ここで、インソールなどが長時間の歩行テストに耐えられず、ズレる、割れる、という問題が発生。
本来なら中敷の下に固定するインソールパーツを、調整が完了するまでは仮固定で中敷の上に貼っています。
この時期の歩行テストは、もう職場に履いて行って丸一日の利用です。
こんにゃく足じゃ無い方なら、とっくに終わっている調整が、こんなに長引くのは私も初めての経験。
仮止めの状態では、強度が保たなかったのです。
コレも、私にとっては想定外のトラブル。
履き心地、という事にばかり目がいっていましたが、強度もきちんと確保ないと日常テストに耐えられません。
コレも、色々新素材を取り寄せたり、取り付け方法を研究したりして、改善を重ね克服していきました。
5/9 来店5回目『ぴったりに!!』
そして、5回目にして
完全に問題なく一日過ごせる!
という回答を頂きました!
なので、接着剤で完全に固定するという作業に。
Part1に掲載されているインタビュー動画は、この日に撮影させていただいた物です。
ですが、この固定が終わった後に…..
▶︎5/12のLINE
こんばんは。
その後3日間履いてみました。
1日目は時間が短くそこまで感じなかったのですが、2.3日目は写真素足の赤くなっている部分、靴で言えばビットの端の皮が重なっている部分が当たってすごく痛いです。
朝履いて少し違和感がある程度で30分ほどするとすごく痛くなります。
その時踵の緩みはあまりありません。
夕方になると踵が緩くなってきますが、パッドを入れるとより痛くなりそうなので入れられていない状況です。
うぅ〜〜〜、難しい〜!!゚ヾ(゚Д`;≡;´Д゚)ノ゙!!!!!!!!
固定の時に、少しズレちゃったのか?
それとも、テスト歩行の時には使っていない素材が追加されるので、その厚み分で計算が狂った??
ただ、一応ルールとして5月末で何があっても終了します!とモニターさん全員に伝えており、1人だけルールを破る訳にも行きません。
この後、5/22に一度来てもらい、最終このトラブルに対しての再調整は行いました。
でも、5/22がKIさんもスケジュール的に最後の日だったので、この後どうなったのかはわからない状態です。
一応、何かあったらLINEでご連絡くださいね、とお伝えしており、何もご連絡がないので、最後の微調整でなんとかなったのかな…?と思ってはいるのですが。
でも、この事件のおかげで、最後の取り付けの際にズレなどが発生しやすいと言う事が分かりました。
後、厚みの計算が必要な事も。
その後、この2つの問題は解消できる様に取り付け方法の改善を行い、現在の会員さんの方では同じ事は起こっていません。
なので、恐らく解消できたのだと考えています。
超、学び多きモニターでした。
未知の難題、「こんにゃく足」に取組んだ約半年間。
本当はココには書き切れないほどに、まだまだ色んな事がありました。
初めて、ガッツリ「こんにゃく足」に取り組んだ事例でしたし、
新メニューの会員制度「Cinderella Shoes Members」のスタートとも時期が丸被りしていたので、
新しい事だらけの半年間で、もう何が何だか分からない状態でした。
でも、本当に又、大きな大きな学びを得られた大実験でした。
結論から言うと、私はめ〜〜〜〜っちゃくちゃ面白かったです!+゚。*(*´∀`*)*。゚+
基本、研究者気質なので解く謎があればある程、燃えて来ます。
おかげで私にとって「こんにゃく足」は、絶対に解消できない難解な足ではなくなりました。
そりゃ、普通の人よりはかなり難しいけど、頑張ればできるよ、と言う感じ。
KIさん以外にも2名、計3名のこんにゃく足に対峙してみて感じたのは、私の基本的解釈は間違ってはいないと言う確信。
同じ「こんにゃく足」とは言え、皆さんそれぞれに色んな特徴が個々であり、大変だった部分はまるで違います。
でも、その都度自分の基本ルールに基づいて考えていけば、時間はかかるけど解決は可能です。
今回のモニターさんで、どの辺でつまづき易いのかももうすでに把握済み。
インソールが剥がれやすい、割れてしまう、などの問題はもう起きないだろうし、最終固定の時にズレてしまう事もないでしょう。
足の伸縮スピードによって最初の調整が全部無駄になってしまった件も、恐らく注視しながら進めるので対応可能。
まぁ、もちろんコレ以外のトラブルがやる度に出てくるのも承知の上ですが….。
だからこそ、調整って難しくて面白くて、ぴったりになったときの喜びって何物にも変えがたいのかな、と。
と言うわけで、攻略完了です!
こんにゃく足の方、もう来て頂いて全然OKですよ〜!!
ただし、単発の調整は無くなりましたので、以下のいずれかでお申し込みください。
こんにゃく足の皆様。
もう、1人で悩まなくて良いです。
シンデレラシューズがついてます。
ぜひ、なんでもご相談くださいね。
Written by Kumi Matsumoto
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